破産手続きを開始したエアアジア・ジャパンの特徴といえば、「真っ赤なCA制服」。国内ではおおむね黒系統のいわゆる「落ち着いた」CA制服が一般的ですが、海外では、過去の日本では、それぞれどうなのでしょうか。

受賞歴もあるアエロフロートの「真っ赤な制服」

 中部空港を拠点としていたLCC(格安航空会社)の「エアアジア・ジャパン」が2020年10月に撤退。11月17日(火)には、破産手続きを開始しています。

 エアアジア・ジャパンといえば、マレーシア拠点のエアアジアグループで共通デザインとなっている、トレードカラーの赤を前面にあしらったCA(客室乗務員)の制服が特徴。一方、日本国内の航空会社ではグレーや紺といった黒系統のいわゆる「落ち着いた」「シックな」色使いが多数です。

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エアアジアグループのCA制服(画像:エアアジア)。

 日本に路線を就航させている航空会社で、エアアジアにも匹敵するような「真っ赤な制服」を採用しているところの代表例は、アエロフロート・ロシア航空でしょう。ロシア最大、世界でも有数の規模をもつ巨大航空会社であり、2020年11月現在、羽田空港に就航しています。

 夏季に採用されるCA制服は、「レッドマンダリン」というカラ―リング。冬はネイビーのものを採用しています。同社によると、この制服は2010(平成22)年に導入されたものとのこと。また、旅行情報サイト「スカイスキャナー」を始め、「最も評価の高いCA制服」として受賞歴もあるそうです。

 このほか、赤い制服を採用している海外の航空会社は、ヴァージンアトランティック航空(イギリス)や、アリタリア・イタリア航空の制服(別色もあり)などが挙げられます。

国内はどうなの? かつては「赤っぽい」制服の古今東西

 一方日本では先述のとおり、「真っ赤なCA制服」が採用されている主要航空会社は、2020年11月現在ありません。近いカラーリングとしてはLCCのピーチで、同社のトレードカラーのピンク色を、そのまま制服のカラーとして採用しています。

 ただし過去をさかのぼると、完全なる「赤いCA制服」ではないものの、「赤」にかすめたカラーリングのものもあります。

日本にもあった!? 破産のエアアジアJにも匹敵「鮮やかCA制服」 赤い制服は海外でも…

パネルで展示されたTDA時代のJAS(現JAL)のCA制服(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。

 まず、トレードカラーが赤のJAL(日本航空)では、ポイントで赤が入っていることはあるものの、実はおおむね一貫して制服のカラーリングは紺です。例外としては、1967(昭和42)年から1970(昭和45)年まで採用された4代目制服ですが、こちらはスカイブルーを採用しています。

 一方、2004(平成16)年にJALと併合したJAS(日本エアシステム)では、TDA(東亜国内航空)時代の1971(昭和46)年から1975(昭和50)年まで、赤に近いオレンジの制服を採用しています。これは、同社がジェット旅客機を導入したことにともなって、当時のコーポレートカラーを取り入れたものだそうです。

 ANA(全日空)は現行のグレーのCA制服が採用される前は、紺やライトブルー、オレンジ、茶色……とさまざまな色のものを採用しています。

 一方、地上係員の制服カラーには、過去に赤い制服を着用していたことも。2代目の冬服(1972年から1987年まで)、3代目(1987年から1982年まで)、4代目(1982年から1990年まで)赤いものを採用、約28年ものあいだ地上係員は「赤い制服」を着ていたことになります。

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