コロナ前の東京都心で訪日外国人がよく乗っていた某ゲームを彷彿させるミニカートを、伊豆諸島の八丈島でレンタカーとして借りることができます。実際に乗ってみたところ、普通車とはあらゆる面で違いましたが、絶景でした。
東京都心から300km弱、飛行機で1時間程度の距離にある伊豆諸島の中心地のひとつ、八丈島では、ある変わった乗りものを借りることができます。この「エックスカート(X-Kart)」という、背の低いレーシングカー風のミニカートです。
八丈島で乗ることができる「X-KART」(乗りものニュース編集部撮影)。
東京都心では近年まで、某ゲームに登場するキャラクターのコスプレをした観光客が、ミニカートで公道を走り回っている光景が日常的に見られました。彼らが乗っていたのが、この「エックスカート」です。普通自動車免許を保有していれば、誰でも公道を走ることができます。
モービルレンタカー八丈島店で、この車両をレンタカーとして借りられます。同店では4台が用意されており、料金は1時間3300円から。なお、利用者の安全確保のため、貸し出しは昼間、かつ晴天時のみとなっています。
東京都心で外国人が楽しそうに乗っていたのを横目で見ていたものの、コロナ後はほとんど見なくなったこのカート、離島で乗ると、どのような景色が広がるのでしょうか。
「エックスカート」はまず通常の自動車と、エンジンの始動方法から異なります。エンジンをかけてすぐアクセルをふかす必要があるのです。
店舗担当者によると、「エックスカート」のエンジンの排気量は50ccとのこと。いわゆる原付ミニカー登録のため、最高速度規制のない一般道上の制限速度は普通自動車と同じく60km/hとされています。しかし40km/hに満たないスピードでも、車高が普通自動車よりもはるかに低いことから、非常に速く感じます。
また普通自動車のようなサスペンションがないので、路面の凹凸の影響を受けやすいのも特徴です。実際、制限速度ギリギリまで速度をあげることは難しいと言えるかもしれません。
50ccのため、坂道ではアクセルを目一杯踏み込んでもかなり減速してしまいます。「走行が可能な場所が制限されます」(モービルレンタカー)の案内どおり、起伏の激しい八丈島では、物理的に平野部や、ゆるやかな坂のみの走行に限られるようです。

八丈島の風景(乗りものニュース編集部撮影)。
一方で、晴れた八丈島の海岸線を「エックスカート」で走る経験は、まさに唯一無二。
ちなみに、渋谷などでも「エックスカート」は目立つ存在でありましたが、それは八丈島でも同じようで、すれ違う人たちに手を振られることもありました。
【スピード感やべえ!】カートの地を這うような視点で八丈島を味わう(5:49から)