地震による車両脱輪で日暮里・舎人ライナーが3日にわたり全線運休、それをカバーしたのがバスによる代行・臨時輸送でした。不測の事態への備えが活かされた形です。
2021年10月7日(木)夜に発生した強い地震による車両の脱輪事故の影響で運休していた日暮里・舎人ライナーが、11日(月)始発から運行を再開しました。その間、沿線の足になったのが、複数の事業者を動員して運行された代行バスです。
東京都交通局は8日(金)から、日暮里~見沼代親水公園駅間で並行する都営バス「里48」系統を増便したほか、民間のバス事業者が保有する大型観光バスを活用し、各駅最寄りのバス停にのみ停車する臨時便を運行。同日は合計40台程度で代行輸送にあたりました。
舎人公園前に停車する民間の大型観光バスによる代行輸送車。東京ワーナー観光は地元足立区のバス会社(2021年10月10日、中島洋平撮影)。
9日、10日の土休日も同様の対応を行ったほか、始発からライナーの運行を再開した11日(月)も、朝ラッシュ時の輸送力をカバーすべく臨時バスの運行を継続。上り方向については午前7時から10時まで、谷在家駅発、江北駅発、足立小台駅発のバスもそれぞれ20分間隔で運行しました。
この措置は、地震の影響で複数のライナー車両に損傷が見られ、朝ラッシュ時が通常ダイヤよりも1割程度少ない運行本数となる可能性が見込まれたためです。
鉄道とド並行でバスを残していたからこそ車両が小ぶりな新交通システムである日暮里・舎人ライナーは、もともと輸送力が小さいうえ、他の鉄道路線との接続が少ないこともあり、朝ラッシュ時は多くの人が沿線から西日暮里または日暮里まで向かいます。バスはその需要を柔軟にカバーしたといえるのではないでしょうか。
こうした対応が可能になった背景には、ライナーとほぼ完全並行する都営バス里48系統を残していたことが挙げられます。
都営バス里48系統は、駅の最寄りでないバス停にも停車する(2021年10月10日、中島洋平撮影)。
かつて沿線地域の主要な足を担っていた里48は、2008(平成20)年のライナー開業後に減便され、現在は都営バスのなかでも赤字が大きい路線になっています。しかし東京都交通局は、地域交通網を拡大すること、そしてライナーの不測の事態に備える目的もあり、里48運行は区間を短縮することなく運行を維持する考えを話していました。
なお、里48の増便と臨時バスの運行は11日(月)午前10時にいったん終了しましたが、東京都交通局は同日12時時点で、今後も状況に応じて運行する可能性があるとしています。

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