世界屈指の消防機材メーカーであるローゼンバウアーがEVトラックベースの電動はしご車を発表しました。同車はエコなだけでなく、消防士や住民にとっても大きなメリットがあるそうです。
オーストリアの消防機材メーカーであるローゼンバウアー社は2021年10月27日(水)、最新式のEVはしご車「L32A-XS」を発表しました。
本車はスウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・トラックスが開発・生産する「Volvo FE Electric」をベースに所要の架装を施したもので、搭載するはしごは最大64mの高さまで延ばすことが可能だとしています。
ローゼンバウアーが発表した最新式のEVはしご車「L32A-XS」(画像:ローゼンバウアー)。
従来の内燃機関(エンジン)を搭載するトラックをベースにしたはしご車と異なり、EVはしご車「L32A-XS」は出力70kWhの電動モーターを3つ搭載しているのが特徴で、これらを制御することで、走行からはしごの伸縮、送水など全ての駆動力を賄うとのこと。なお、3つのモーターに電力を供給するため、車体内には蓄電容量66kWhのリチウムイオン電池を2つないし3つ搭載します。
同社によると、たとえば5km先の火災に出動する場合、往復10kmの走行、現場到着後のジャッキ操作1回、はしごの動き3回、合わせて約30分間の活動を行った場合、約20kWhの電力消費になるとのこと。仮に距離30kmを走り、ジャッキ操作2回、はしごを5回動かし、合計1時間稼働し続けたとしても約52kWhの電力消費で済むとしています。
そのため、リチウムイオン電池を2つないし3つ、合計132kWhまたは198kWhのバッテリー容量があれば、L32A-XSはしご車は問題なく稼働できるといいます。
充電については一般的な産業用電源ソケットを用いて交流電源で行えるほか、変電装置を備えれば直流の電力ステーションでも充電可能だといいます。
EV消防車ならではの消防士や住民へのメリットとはすでに、ローゼンバウアー社は2020年秋に次世代型のEV消防車「RT」を発売し、ベルリン市消防局において2021年2月からRTの運用試験を行っています。過去8か月のあいだで約800回の出動をこなし、その9割以上で搭載バッテリーに蓄えた電力で一連の消防活動を達成することができたとのこと。
なお、同社によるとEV消防車は環境に優しいだけでなく、現場での排気ガスや騒音の低減にも効果的で、これにより車両周りにおける消防士の活動環境を改善し、ストレスを軽減させるほか、地域住民にも同様の利益をもたらすものになるとしています。

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