電動キックボードなどのシェアリング事業「LUUP」の機体デザインやロゴが刷新、ともに白を基調としたものに変化しました。これにより、街に広がりつつある電動キックボードの課題解決を図ります。

ロゴも機体も一新「LUUP」

 電動キックボードなどシェアリング事業「LUUP」を展開するLuup(東京都渋谷区)は2022年2月15日(火)、新型の電動キックボードを発表するとともに、サービスロゴを刷新しました。

 新型は黒基調の機体から、白を基調とした機体へと一新。ロゴもブランドカラーであるLUUP GREEN(青緑)に白文字のものから、白地ベースのもの(黒文字+青緑の枠)へと変化しました。

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新型の白いLUUPの電動キックボード。永田町駅前(中島洋平撮影)。

「次世代のインフラ的存在を目指すにあたって、電動キックボードの視認性をさらに向上させる必要があると考えた」そうです。白基調となり、夜間の視認性も向上するとのこと。

 これだけでなく、白基調としたことには「合法である」ことをわかりやすくする狙いもあるといいます。

 というのも、一般的な公道走行可能な電動キックボードは原付に位置付けられますが、シェアリング事業の機体は、国の「新事業特例制度」のもとで「小型特殊自動車」に位置付けられているからです。シェアリングの電動キックボードは特例でヘルメットなしでの走行も認められています。

「街なかで見かける電動キックボードは(シェア事業の機体ではないものも含め)黒いものが多いです。そこで、一目でシェア事業の機体とわかるよう白を基調にしました」(Luup 松本実沙音さん)

 松本さんによると、電動キックボードの認知が拡大するなか、その法律要件が複雑すぎるという議論が起こっているといいます。

街なかではナンバーがついていない違法な機体の走行も見受けられるほか、シェア事業のキックボードを見て、「あれ、ヘルメットつけてない!」と思われることもあるとか。

 そこで、機体を白にして「パッと見で(シェア事業のものと)わかるように」する狙いがあるということです。

すでに850ポート 街へ広がる電動キックボード 課題も

 Luupは2019年から、まず私有地内での電動キックボードシェアリングの実証実験を始め、2020年には小型電動アシスト自転車のシェアリング事業を都内50のポートで展開。2021年4月からは、そのポートに電動キックボードを配置する形で、前出した小型特殊扱いの特例による電動キックボードのシェアリング実証実験を始めました。

 ポートは自動販売機1台ほどのスペースということもあり、駅前から商業施設、マンションの一画などに次々と増え、その数は2年間で全国850か所以上になっています。

 この間、シェアリングに供される電動キックボードは細かなアップデートを11回も重ねています。今回は、スタンドを一脚から二脚にして自立性を向上、ウインカーを音付きのものにするなどしています。なお、新しい白い機体は順次、既存の黒い機体から置き換えられていきます。

電動キックボード“白く”しました シェア事業LUUPがイメチェン 伝えたい「違い」
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シェアリングの電動キックボードは市販のものより大きく、折りたたみもできない(中島洋平撮影)。

「電動キックボードの普及が目的ではなく、住みよい街のインフラをつくる」(松本さん)というLuup。ですが、前出の通り電動キックボードの違法走行が増えるなか、さらなる安全対策も求められているだけでなく、その走行環境の法整備も道半ばです。

 今後、Luupは東京海上と作成した「電動キックボードのご利用ガイドブック」を近日中に公開。

さらに、安全への取り組みをまとめたウェブページ、交通ルール解説の動画などの公開も予定しています。これまで29回実施してきたというリアルでの安全講習会も引き続き実施していく構えです。

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