350キロカロリーで、脂質は半減、食物繊維は5倍!夢やん!

3月から国際線ビジネスクラスで

 ANA(全日空)が2022年3月1日より、日本発の北米・欧州線などの便における国際線ビジネスクラス機内食の軽食メニューで、新たなコンセプトを採用したメニューの提供を開始します。メニューはかつ丼。

ただし世界初の工夫が凝らされた結果、カロリーは一般的なものより4割減となる、わずか350kcalで、一般的なカツ丼と比べ「脂質は半減、食物繊維は5倍」とのこと。ANA上席執行役員の矢澤潤子氏は「食べるのにためらう必要がなく、罪悪感もない、夢のようなカツ丼です」と称します。

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ANA国際線機内食で提供される「肉不使用のカツ丼」(2022年2月22日、乗りものニュース編集部撮影)。

 実はこのカツ丼、”肉”を使っていません。肉の代わりに使用されているのは、ディーツフードプランニング社が開発した「おからこんにゃく」の原料新食材「Deats」。同食材が機内で提供されるのは世界初とのことです。そしてこの”肉不使用カツ丼”、ANAの担当者がその味を「何も知らなければ、まず気付かずに食べられると思います」と称するほど、味が一般的な豚肉のカツ丼に近いのを強みとしています。

 担当者によると「Deats」は植物性代替食品の主流である大豆ミートと比較し「一番お肉に近い味わいで、大豆ミート特有の臭みが少なく、味付けを反映しやすい」のがポイントとのこと。ディーツフードプランニング社は今回、ANA向けに特注品のとんかつを作成。これを用いてANAがカツ丼へと仕立てあげました。丼ぷりのお米は白米とDeatsブランドのこんにゃく米を半々の比率で混ぜ込んでいます。

実際に食べてみたらすごかった!

 ANAの担当者によると、このカツ丼の開発期間は半年ほどを要したといいます。

「肉肉しい食感、歯ごたえや弾力を追求して試行錯誤を繰り返し、追い求めたカツに仕上がりました。厚みを含めて、食感はとくに再現性が高くなっていると思います。味付けは、少し濃いめとすることで全体をまとめています」(担当者)

 実際に食べてみたところ、とんかつ特有の油感、豚のロース肉で感じられるような”脂身感”をしっかりと感じることができます。変な臭みなどもなく、カツの断面を見なければ”ほとんど豚”です。「何も知らなければ、まず気付かずに食べられる」――その言葉の通りといえそうです。

ANAから誕生「夢のようなカツ丼」とは? 「罪悪感ゼロ」の世界初国際線機内食 その実力
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ANA国際線機内食で提供される「ソフトケールのサラダ」(2022年2月22日、乗りものニュース編集部撮影)。

 一方でミックス米の部分は、通常のお米100%のカツ丼と比べると若干の違いを感じる部分もあるものの、丼ごと掻き込む食べ方であれば十分”ホンモノ感”を感じることができます。「7割お米にすれば(100%お米との)違いはかなり減るのですが……。そこは健康志向とのバランスを考えて、半々としました」とのことです。

 春以降ANAでは、羽田空港と成田空港の国際線ANA SUITE LOUNGEにおいてもDeatsを活用したヘルシーメニューを準備中とのこと。今後も機内やラウンジなどへ幅広くメニューを展開する方針としており、「これ一発で終わらせるつもりはないです。ご期待いただければ」と担当者は話します。

 このほか3月からは、ANA国際線エコノミークラスの全路線で、機内食製造時の調理残渣からリサイクルされた堆肥を利用し育った”ソフトケール”を材料に用いたサラダを採用します。

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