道路上にポールや縁石を設置し、一部の車両を物理的に通れなくした箇所が稀に見られます。そうするのには理由があります。

カーブの先に突然ポールが…

 カーブの先に3本の黄色いポールが道の真ん中と左右に立ち、通行するクルマの多くがポールとポールのあいだを慎重に通る――そのような箇所が埼玉県志木市内にあります。ポールには無数の擦り跡も見られます。

道にポール立てたの誰!? そろり通行、無数の擦り跡… なぜ通...の画像はこちら >>

新宮戸橋の手前、志木市側に立つポール(乗りものニュース編集部撮影)。

 場所は、荒川の西側の志木市宗岡地区から、新河岸川に架かる新宮戸橋へ向かう道です。橋のやや手前に3本のポールが立っていますが、橋を渡って朝霞市に入ると、同様に4本のポールによるゲートに阻まれます。

 志木市側は近年になり、ポールとポールの間隔がやや広げられたそうですが、朝霞市側はより狭い感じがします。

危険を感じたのかUターンを試みるクルマも見られました。

 なぜ、このような通行を支障するポールが立っているのでしょうか。

 志木市の道路課によると、この道には2.0mの車幅制限が敷かれており、大型車の通行を防ぐ目的で設置されているとのこと。というのも、周辺に水資源機構の施設があるほか、道路や橋の下に水道管が通っているため、それを保護する目的などから、市が道路の開通当初からポールを設けているそうです。

 このような「ゲート」は、ここに限らず川や橋の近くに比較的多くみられます。東京都内でも、多摩川から杉並区方面へ延びる水道管が通る「荒玉上水道路」で車幅などの規制とともに、ラバーポールやガードレールなどで物理的に車両の進入を抑制している箇所が多々あります。

 水道などと関係ない場所でも、こうした物理的なゲートが置かれている場合があります。東京都板橋区内の首都高5号線高架下の道路では、一部で1.7mの車幅規制が敷かれ、それを担保するため路上へ「ハ」の字に設置した縁石で、通行スペースを意図的に狭めています。

 こちらは、大型車の抜け道になることを懸念した近隣住民の要望によるもので、板橋区によると半世紀近く前から設置しているそう。車幅1.7mは当時としては多くの乗用車が通れたかもしれませんが、いまや一般的となった3ナンバーの乗用車(車幅1.7m以上)は通れません。

 車幅制限を物理的に担保するゲートの設置理由は、様々あるようです。