ATRが発表した新型リージョナルターボプロップ機計画である「EVO」。名前も刷新され、新エンジンなどを搭載するも、その見た目は同社の現行機とほぼ同じです。
ヨーロッパのリージョナル(地方間輸送)航空機メーカー、ATRが、新型リージョナルターボプロップ機計画である「EVO」を発表しました。2022年6月、同社のステファノ・ボルトリCEO(最高経営責任者)らが来日。「EVO」計画についての具体的な内容について説明しています。
ATR「EVO」ビジュアルイメージ(画像:ATR)。
「EVO」は従来より使用燃料と整備費をそれぞれ20%削減でき、さらに経済的な航空機となるとされているほか、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用して運航できる新型機といいます。「EVO」は「エボリューション」の略です。
現代のプロペラ旅客機として一般的な「ターボプロップ機」のスタイルを取りながらも、大きく変わるのは、1基あたり8枚のブレード(羽)がついていることが特徴的なハイブリッド・エンジンの採用です。また、客室を構成するパーツに、リサイクル素材などを用いたエコな新材料を用いることで、環境配慮はもちろんのこと、軽量化による客室仕様の性能向上も期待されるといいます。ちなみに、ATRによると「エンジンブレードについては、6枚のものと8枚のもの、両方を検討している」とのことです。
その一方で、「EVO」のルックスは、現在のATRの主力機「ATR42/72」シリーズをほぼそのまま継承しているように見えます。ちなみにこのデザインは、ATR42初期タイプが初飛行した1984年から、ほとんど変わっていません。
ステファノ・ボルトリCEOらATRの来日メンバーによると「使用する素材を含め、エアフレーム(胴体や翼の根本的な設計)を大きく変えることは考えていない」と話します。新型機ではあるものの、極力「ATR42/72」のデザインを流用するということなります。
続いてATR側は次のように説明を続けます。「ATRはテクノロジーをより安価に提供することに主眼に置いている。航空券の価格が現在と変わらないということが重要だ」。
HACのATR42-600(乗りものニュース編集部撮影)。
つまり、エンジンや内装など変更すべきところは変更しつつも、極力従来機のベースデザインを引き継ぐことで、まったくの新開発よりもコストを抑制。その結果、航空会社にとっても、「EVO」はコストパフォーマンスよく、安価に導入できつつも、メンテナンスコストも抑えられる機体に。それが最終的には、旅客の航空券価格にも反映されるということなのかもしれません。
「EVO」は今後、航空会社、エンジンメーカー、システムプロバイダーと連携を図り、2023年までに本計画を開始することを目指すとしています。

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