NEXCOの高速道路で一般道と接続する出入口は、一般的にIC(インターチェンジ)と呼ばれますが、首都高などの都市高速では、その呼称は使われず、「ランプ」と呼ばれることもあります。何がどう違うのでしょうか。

ランプは「ICの一部」?

 NEXCOの高速道路で一般道と接続する出入口は「IC(インターチェンジ)」ですが、首都高などの都市高速では、単に「出入口」、あるいは「ランプ」とも呼ばれます。この「IC」と「ランプ」は、何がどう違うのでしょうか。

●ランプ
「ランプ(ramp)」とは本来、「斜面」や「斜路」を意味する言葉です。確かに首都高の出入口の場合、高架上の本線と地上の一般道をつなぐ単純な坂が多く見られます。道路どうしをつなぐ連絡路のひとつひとつが「ランプ」であり、国土交通省は「ランプ」について、「『インターチェンジ』や『ジャンクション』の構造の一部」としています。

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関越道 花園IC(画像:国土地理院)。

●インターチェンジ(IC)
高速道路のICは、一般道の上下線、本線の上下線へと連絡路が通じており、その連絡路どうしも曲線を描いて相互に立体交差している場合もあるなど、首都高の出入口よりも構造が複雑です。

NEXCO東日本は、「2つ以上の道路が交差または接近する箇所において、相互を連結する道(ランプ)を設けることによって、これらの道路を立体的に接続する施設」とし、料金徴収設備などが併設されているとしています。つまり、料金所などを含む施設全体が「IC」、というわけです。

 しかし、これら定義に収まりきらないケースもあるようです。

「ランプ」「IC」混在の路線も じゃあ「JCT」は何なんだ

 一般道のバイパス道路としての自動車専用道などでは、並行する道路との接点について「ランプ」「IC」の名称が混在しています。たとえば、兵庫県の国道2号「加古川バイパス」では「ランプ」、奈良県と三重県を貫く国道25号バイパス「名阪国道」では「IC」の名称が使われています。

 同じ路線で一般道と接続する出入口を「IC」「ランプ」と呼び分けているケースもあります。たとえば兵庫県の六甲北有料道路です。

管理する神戸市道路公社によると、それぞれの命名経緯については不明ではあるものの、施設の形状に違いがあるといいます。首都高のように、単純な坂道で高架下の一般道とつながっている箇所を「ランプ」、NEXCOの高速道路のように、料金所を介してループを描くような複数の連絡路で構成される箇所を「IC」と呼んでいるそうです。

高速道路などの「IC」と「ランプ」なにが違う? 「JCT」は何者? 一般道はかなりカオス!?
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首都高の羽田出入口は単純な坂道。この出入口が合流する交差点名は「羽田ランプ」(乗りものニュース編集部撮影)。

 首都高では現在、「ランプ」という呼称を公式には使っておらず、単純に「出入口」と呼んでいます。かつて、現在の「出入口」を「ランプ」、路線同士が接続する「JCT」を「IC」としていたところ、1995年に改めたそうです。

 この「ジャンクション(JCT)」なる言葉、高速道路では一般的ですが、一般道ではあまりお目にかかりません。たとえば、埼玉県の国道17号バイパスと国道16号バイパスが交差する「宮前IC」などは、仮に高速道路であれば実質的に「JCT」といえる構造です。

国土交通省は「JCT」について、「高速道路相互を直接接続するインターチェンジのことを通常のインターチェンジの概念(中略)と区別するため、用いられている用語です」と説明しています。首都高は「IC」を「JCT」に改めましたが、一般国道ではそのまま「IC」が使われているようです。

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