日本ではバックで駐車する人が多いですが、欧米などでは前進で駐車マスに入る「前向き駐車」が主流です。特に法律があるわけではないのに、なぜこのような違いが生まれたのでしょうか。
スーパーやホームセンターなど、大きな商業施設に駐車する場合、バックから駐車する「後ろ向き駐車」が主流になっています。しかし、たとえばアメリカでは前向き駐車がほとんどのようです。なぜ日本ではバック駐車が多いのでしょうか。
後ろ向き駐車のイメージ(画像:写真AC)。
そもそも、駐車場において前向き、後ろ向きを規定する法律があるわけではではありません。その国の地域性や習慣に根差していると思われます。
日本でわざわざバックで駐車する大きな理由は、買い物などの用事を済ませた後を考慮し、クルマを出しやすいようにしておこうと考える人が多いでしょう。しかし、とある駐車場システムメーカーの関係者によると、欧米では駐車場に面した道路や通路、そして駐車マスも日本より広く取られているため、駐車場からバックで出る際もスペースに余裕があり、わざわざバックでクルマを駐車しないのだそうです。
一方、駐車マスやそれに面する通路も狭い日本では、前向きで駐車した場合、クルマが行きかうところにバックで出ていくため難しくなります。前向き駐車を想定したレイアウトの駐車場もあるものの、一般的なレイアウトよりもスペースを必要とするため、日本では多くはありません。こうしたスペースの狭いレイアウトの駐車場は、シンガポールや香港など人口密度の高い地域ではよく見られるケースのようで、そうした場所では日本と同じくバックでの駐車が主流となっているようです。
なお、狭い駐車スペースの場合はバック駐車のほうが合理的という意見もあります。
しかし、ただ、コンビニエンスストアの駐車場などでは、「前向き駐車でお願いします」などと掲示されているケースもあります。こうした注意書きをするのは、排気ガスを店舗や民家のほうに向けて排出しないようにするためだと言われます。