露軍で初の装輪自走りゅう弾砲。
国営企業が納入を発表ロシアの国営企業であるロステックは、152mm「マルバ」装輪自走りゅう弾砲をロシア軍に初納入したと、2023年10月26日発表しました。
装輪自走りゅう弾砲「マルバ」(画像:ロステック)。
同車両は、フランスの「カエサル」、ドイツのRCH 155、スウェーデンの「アーチャー」、そして、陸上自衛隊の19式装輪自走155mmりゅう弾砲など、西側陣営の155mm装輪自走りゅう弾砲と同様の任務を行うために開発車両で、タイヤで走る装輪式の大型自走式りゅう弾砲としてはロシア初の車両となります。
ロステックが発表したスペックによると、 自動装てん式の榴弾砲で発射速度は毎分7発以上、装弾数は最大30発となります。射程距離に関しては詳細は明らかとなっていませんが、ベースとなったロシア軍の47口径152mmりゅう弾砲の射程が通常弾の場合24.7kmですので、同程度かやや長い射程になると予想されています。
なおロステックの弾薬・特殊化学薬品部門の責任者であるベカン・オズドエフ氏「24km以上の範囲でりゅう弾を使用してほぼすべての物体を破壊できる」と述べています。
装輪式の自走りゅう弾砲は2023年現在、NATOなど西側諸国で多くの軍隊が採用している系統の自走砲になります。ドローンによる攻撃や高性能のセンサーやレーダー類が発達した昨今の戦闘において、敵に発見されるリスクを避けるためには、発射後はすぐに陣地転換する必要がありますが、装輪式車両は機動力と速力が高く迅速な行動が可能です。
2022年2月のロシアによる侵攻以降、ウクライナには「カエサル」や「アーチャー」などの装輪式の自走りゅう弾砲が供与され、実戦に投入されていますが、これでロシア側にも同種の兵器の納入が開始されたことになります。

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