高速道路の道路を見回る黄色いカラーでお馴染みの「パトロールカー」は、SUVばかりの印象を受けます、一体なぜなのでしょうか。
年間でかなりの長距離を走るパトロールカー黄色いボディカラーが一般的な高速道路の「パトロールーカー」。
NEXCO東日本パトロールのパトロールカー。ベースは「ランドクルーザープラド」(斎藤雅道撮影)。
NEXCO東日本によると、正式名称を「道路巡回車」と呼ぶこれらパトロール車両の主な任務は、高速道路を定期巡回し、落下物や障害物の回収、交通事故現場へ急行して二次的な事故を防ぐことです。そのため、常に複数台が高速道路のどこかを走っているといい、その年総走行距離は、全体で約2300万kmにも及ぶそうです。
首都高のパトロールを担当する首都高パトロールでも、同様に長大な距離を走ります。1日約100kmのパトロールを複数台で分担して24回行うので、合計すると1日2400kmも走っているのだとか。そのため、まずパトロールに穴を開けないため、壊れにくいことが最優先されます。様々な環境に対応できるSUVが、その壊れないクルマの筆頭格のため使われるケースが多いようです。
また装備品の多さもSUVが使われる理由でもあります。交通規制の際に活躍する警告旗、発炎筒、パイロン、落下物を除去するホウキ、スコップ、火災に対応するための消火器などなど。その他にも緊急時のアナウンスのための拡声装置や、一部の車両にはトンネル火災などでも行動できる酸素呼吸器なども搭載しており、装備品は合計で約70点にもなります。
さらに、屋根上に搭載している標識の重量も追加されます。首都高パトロールによると、この標識の重さは約180kgで、場合によっては車両の牽引なども考慮しなければなりません。
当然、クルマにはかなりのエンジンパワーと、搭載量の余裕が求められます。そうなるとSUVでもクロスカントリーなど、本格的な4WD車以外にこなせる車両はほとんどないという結論だそうです。
ちなみに、首都高パトロールでは以前、三菱「パジェロ」も導入していましたが、生産停止となったことから、耐久性やパワーを考慮し現在は「ランドクルーザー」一択なのだそうです。

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