エミレーツ航空の総2階建て巨大機「エアバスA380」は、豪華な客室を設置していることから「空飛ぶ宮殿」とも称されます。日本未就航の最新仕様を持つ同社機、内部はやはり"宮殿”でした。
いまや少なくなった4発大型ジェット機ですが、そのなかでも異彩を放つモデルが、総2階建て超大型機「エアバスA380」です。この機を導入している航空会社のなかには、巨大なスペースを活かした独自の客室仕様を採用しているところもあります。そのなかでも特にエミレーツ航空のA380は「空飛ぶ宮殿」と呼ばれるほど豪華な機内で知られるため、公開では行列ができるほどです。
今回、2023年12月から成田線にも投入される、プレミアムエコノミー席を追加したエミレーツ航空の新仕様A380の機内を取材しました。
機内が公開されたエミレーツ航空のエアバスA380「A6-EVG」(加賀幸雄撮影)。
エミレーツ航空は、2023年11月に開催されたドバイ航空ショーで、A380の新仕様「A6-EVG」実機を展示し、機内を公開。ファースト・ビジネス・エコノミーのほか、プレミアムエコノミー席を搭載し、計484席を備えた機体です。なお、A380の製造国であるフランスで6月に行われたパリ航空ショーでは、実際に商業運航されているA380は、業界向けの「トレードデー」では展示されませんでした。
展示機であるA380は、前部からではなく後部ドアから機内に入る、少々不思議な形態を取っていました。振り返ると、これがエミレーツ航空に乗りたくなる、ちょっとした“あざとさ”のある工夫だったのです。
後部ドアから入り、エコノミー席を横目に後方階段を上がって、ビジネス・そしてファーストの上位クラスが設置されている2階席に向かいます。2階の最後部に現れた「バーカウンター」に軽く息をのみつつ、高級ウイスキーが照明に煌めく脇を通ってビジネスクラスへ。
あまりの豪華さに驚き、のむ息が深くなりつつも、さらに前方のファーストクラスに入ると、まさに別格の空間に圧倒され、息が“止まり”ます。
もちろん、座席がフルフラットになるのは当たり前。座席脇には飲料水などの収納ボックス、前にアメニティーキットなどを収容したテーブルが設けられ、引き出し式のテーブルもエコノミークラスの4~5倍はあろうという大きさです。
さらに、この機を「空飛ぶ宮殿」たらしめている珍しい設備、ファーストクラス利用者専用の「シャワー室」も、もちろん健在でした。
機内が公開されたエミレーツ航空のエアバスA380「A6-EVG」。その機内の様子など(加賀幸雄撮影)。
そして、筆者が “あざとさ”を感じたのが、ファーストクラス見学のあと、1階客室前方へ降り、プレミアムエコノミー席を紹介する――という見せ方です。
プレミアムは当然エコノミークラスより快適なものの、筆者は財布のひもが固く締まり、なかなか乗る気が起きません。しかし、「空飛ぶ宮殿」のファーストクラスの豪華さを見た後では、「海外旅行はプレミアムな日と思い奮発すれば、ビジネスクラスは無理でもこちらは何とか乗れるんじゃないか」と、「プレエコ」に乗ることばかり考えている自分に気づきました。
プレミアムエコノミークラスが設けられたエミレーツ航空A380の4クラス仕様の機体は、極東ではシンガポールに次いで2番目に、成田~ドバイ線へ2023年12月から導入されるとのこと。いつ乗る機会が出来るか、その時にまだ「プレエコ」に乗りたい気持ちが続くのか――。

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