先端技術を用いた既存の概念を覆すような座席や客室のインテリア、機内エンターテインメントなどが展示されるイベントで、話題をさらったもののひとつが、「スカイライダー」シリーズです。それはもはや「座席」ですらないものでした。
2024年5月、ドイツのハンブルクで航空機インテリアエキスポが開催されました。同イベントでは毎年、先端技術を用いた既存の概念を覆すような座席や客室のインテリア、機内エンターテインメントなどが展示されます。
このようなイベントで過去に、先端的な座席などと別の意味で話題をさらったもののひとつが、イタリアのシートメーカー「アビオインテリア(Aviointeriors)」が展示した「スカイライダー(Skyrider)」シリーズです。どのようなものなのでしょうか。
アビオインテリア「スカイライダー3.0」(画像:Aviointeriors)。
この「スカイライダー」のコンセプトをひとことでいうと、“立ち座り席”です。腰掛ける部分はあるものの、背もたれと座面の角度は浅く、座面も立ち姿勢を想定した形状に。着座体制はほぼ立っている状態となります。
「スカイライダー」はおもに短距離LCC(格安航空会社)むけに開発されました。立ち席とすることで前後間隔を狭め、1回のフライトにより多くの旅客を乗せることを目指すもので、最大で20%座席を多くできるとのこと。また、シート自体の重量も一般的な普通席の半分と、軽量化が計られているほか、メンテナンスコストも抑えられるとしています。
この席の実装で収容力を向上させ、より航空券の値段を下げることができ、「現在航空券を購入できる余裕がない方々にも、搭乗してもらえる可能性を提供できる」というのを同社はアピールしていました。
ただ、この「スカイライダー」は2019年に「スカイライダー3.0(Skyrider3.0)」を発表したきり、大きな動きはないようです。なお、アビオインテリアは2024年の航空機インテリアエキスポにも出展していますが、そのなかに「スカイライダー」の展示は確認できていません。
なお、2024年の同イベントでは、映画館と同じ形式の超大型個人モニターを搭載したコリンズエアロスペースとパナソニック アビオニクス共同開発のビジネスクラスシートなどが脚光を浴びています。

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