北九州モノレールが、裏面が黒い「磁気券」のきっぷを廃止し、新たにQRコードを使った「QR券」を導入します。航空券ではQRコードの導入は一般的ですが、鉄道でのQRコード導入には、いったいどのようなメリットがあるのでしょうか。
自動改札を使う日本の鉄道では現在、裏が主に黒色になった「磁気券」をきっぷに用いるのが一般的です。黒色の面にはきっぷの有効区間といった情報が磁気で記録されており、それを自動改札機などで読み取ることで、処理を行うシステムです。
そうしたなか北九州モノレール(北九州高速鉄道)は2015年6月24日(水)、従来の磁気券を廃止し、代わってQRコードを使った「QR券」を今年10月1日から新たに導入することを明らかにしました。
スマホでの情報読み取りや、飛行機へ搭乗する際に多く用いられている「QRコード」を券面に印刷したきっぷで、乗車にあたりまずそのQRコードを自動改札に読み取らせ、ホームへ向かいます。そして目的地の駅できっぷを回収口へ投入し、改札の外へ出る仕組みです。
QRコードをきっぷに使う4つの理由QRコードをきっぷに使うことに、どんなメリットがあるのでしょうか。北九州モノレールによると、以下の4点が導入理由といいます。
・ICカードと同じく、乗車券を改札機にタッチするだけなのでスムーズな通行が可能。
・磁気改札機で発生していた「券づまり・きっぷの取り忘れ・きっぷの取り間違い」などがない。
・改札機に搬送部がないことで、磁気券に比べて機器のメンテナンス代が軽減できる。
・きっぷの裏面に磁気加工をしないため、リサイクルがしやすくなる。
北九州モノレールではQR券の導入と合わせて、ICカード乗車券「monoSUGOCA」を導入。
また磁気券は情報を磁気で記録するため、裏面に鉄粉などが塗られており、普通の紙のようにリサイクルできません。しかしQR券はその必要がないため、リサイクルしやすいのです。
日本国内ではスカイレール(広島市、2013年導入)、ゆいレール(那覇市、2014年導入)でもQR券とICカードの乗車システムが使用されてるほか、2027年の中央新幹線開業に向け試験が行われている山梨リニア実験線では、QRコードを使って乗車するシステムが採用されています。