小田急電鉄の通勤型車両1000形が「エコプロダクツ大賞」の優秀賞を受賞。リニューアルでより上手な電気の使い方を実現したことがその理由です。

約40%の省エネを実現

 小田急電鉄が運行する通勤型車両1000形のリニューアル車が、このほど「エコプロダクツ大賞」の優秀賞を受賞しました。

 小田急1000形は、1988(昭和63)年の登場から四半世紀が経過。2014年から車体のリニューアルを行っていますが、その際に従来と比べて大幅な省エネを実現しました。そのことが、今回の受賞理由とされています。

 小田急1000形はリニューアルに際して、VVVFインバーターという装置を、三菱電機が開発した新型機器と交換。VVVFインバーターは、電車を動かすために架線から取り入れた直流の電気を交流の電気に変換し、モーターを効率よく制御する装置です。

 この新型VVVFインバーターは、SiC(炭化ケイ素)を採用した半導体を全面的に使用。直流1500Vの架線に対応したフルSiCのVVVFインバーターを電車に搭載するのは世界初です。これによって従来型より電力消費量が低減されたほか、電車がブレーキをかけた際に発生する電気を、架線へより多く戻せるようになりました。架線に戻した電気は、ほかの電車が使うことができます。

 さらに、新型VVVFインバーターは従来と比べて80%以上も軽量化。その結果、車両自体も軽くなり、動かすために必要な電力も減らせました。

 小田急1000形のリニューアル車は、これらを合わせた全体で約40%の省エネを実現しており、同社は「今後も環境負荷の低減につながる取り組みを進めてまいります」としています。

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