「世界最大のプロペラ機」として知られているのが、旧ソ連時代の設計局を前進とする航空機メーカーである、アントノフ社が手掛けたAn-22です。この機は大きさはもちろん、形状も独特なデザインが採用されています。
「世界最大のプロペラ機」として知られているのが、旧ソ連時代の設計局を前進とする航空機メーカーである、アントノフ社が手掛けたAn-22「アンテイ(アンテーイ)」です。この機は大きさはもちろん、形状も独特なデザインが採用されています。今回、この機体の内部に入りました。
An-22(乗りものニュース編集部撮影)。
An-22の全長は約57.8m、全幅は64.4m。JAL(日本航空)やANA(全日空)などで運用されているジェット旅客機、「ボーイング787-8」(全長56.7m、全幅60.12m)をも上回るサイズです。胴体はずんぐりむっくりとした形状をしており、1機に2枚のプロペラを重ねた「二重反転プロペラ」を備えた、ターボプロップ・エンジンを4基搭載しているのが最大の特徴です。
機内は貨物輸送機らしくガランとしていることもあいまって、その空間の広さはまるでジェット貨物機のよう。窓から主翼を見なければ、とてもプロペラ機の機内とは思えません。最大離陸重量は250tで、これは大型旅客機と知られるボーイング777の一部型式(229t。三菱重工のサイトより)をプロペラ機ながら上回っています。
また、コクピットは機体上部にありますが、その下部、つまり機首先端にも窓があり、ここが航法室となっています。コクピットは5つの座席が並び、エンジン推力を調整する「スロットルレバー」が、左の機長席側に寄っているのもこの機の特徴といえるかもしれません。
An-22は大容量の貨物を搭載可能でありながらも燃費効率がよく、未舗装の滑走路からの発着も可能だったとのこと。66機が製造され、うち1機がドイツのシュパイアー技術博物館に展示されています。
なお、製造メーカーである旧ソ連時代の設計局を前進とする航空機メーカーであるアントノフ社は、重量ベースで「世界最大の飛行機」として知られ、2022年2月、ロシアによる軍事侵攻によって破壊されたAn-225「ムリヤ」の開発を手掛けた会社でもあります。

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