羽田空港には本館ビルと繋がっておらず、搭乗待合室・搭乗口のみが中に入っているユニークな「離れ小島の空港ビル」が存在します。今回、その空港ビルの発着便を実際に使ってみました。
2025年、羽田空港でANA(全日空)などが乗り入れる第2ターミナルが改修される予定です。本館ビルとは直接繋がっておらず、保安検査場もない――搭乗待合室・搭乗口のみが中に入っている「離れ小島の空港ビル」サテライトと本館がつながるのです。この施設は、どういったものなのでしょうか。
羽田空港第2ターミナルの「サテライト」(乗りものニュース編集部撮影)。
飛行機に搭乗、降機するとき、利用者は空港のターミナルビルから搭乗橋(ボーディングブリッジ)を使うか、あるいはバスや徒歩で機体のそばまで行き、階段が備え付けられた車両(タラップ車)で乗り降りするのが一般的です。ところが羽田空港のサテライトからの搭乗、降機方法はこのどちらでもあり、どちらでもないといったユニークなものです。
改修工事完了までのサテライトは、出発する際、利用者はいったん第2ターミナルの本館で保安検査を通過したのち、専用のゲートからバスでサテライトに向かいます。到着したサテライトは3基の搭乗橋が設置されていて、利用者はそこから本館と同じような形で、搭乗橋を使って飛行機に乗り込みます。
ターミナル本館からサテライトまでのバスの所要時間は5分弱。そうして到着したサテライトの館内は、第2ターミナル本館の搭乗待合室とほぼ同じようなデザインコンセプトとなっています。館内にはドリンクやお土産などが買えるショップ「ANA FESTA」のほか、自動販売機、トイレ、喫煙所などが完備されています。
実は本館よりイイかも? でも将来は「本館の一部」にその一方で、サテライトの搭乗待合室の座席に関しては、数人掛けの長椅子が並ぶ本館のものよりバラエティが豊かで、4人がけのテーブル席もあるほか、ソファタイプのものや、リクライニングチェアも設置されているなど、豪華さや待機のしやすさも本館より勝っているといえるでしょう。
羽田空港第2ターミナルの「サテライト」への案内標(乗りものニュース編集部撮影)。
今回の改修工事では、搭乗口を備えた空港ビルを、本館とサテライトのあいだに新設する計画で、この新たなビルがつなぎ目となり、本館・サテライトはひとつの空港ビルになります。
ちなみにサテライト発着便の場合、チェックイン画面や保安検査場の券面に表示される搭乗口番号は46・47・48の3つ。とはいうものの、飛行機がどのスポットに割り当てられるかを、前もって完全に把握するのは難しいため、このサテライトを使って飛行機に乗れるかどうかは運次第です。ただ、一般的には福岡・伊丹・札幌・沖縄行きといった国内幹線では、サテライト発着便は少ない傾向にあります。

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