高出力レーザーなども装備?
「イージス・システム搭載艦」整備費として865億円を計上防衛省は2024年12月に公表した来年度予算案で、イージス・システム搭載艦の整備に伴う関連経費として865億円を計上しました。今後は実射試験を含む、各種試験の準備も進む見込みです。
現時点で最新のイージス艦となる海上自衛隊まや型(画像:海上自衛隊)。
イージス・システム搭載艦は、配備が中止された陸上配備型イージス・システム「イージス・アショア」の代替となる艦艇です。従来のイージス艦は、対空レーダーとしてSPY-1を搭載するのに対し、イージス・システム搭載艦は「イージス・アショア」用だったSPY-7レーダーを搭載します。
1番艦は2024年8月23日に三菱重工業、2番艦は2024年9月18日にジャパン・マリンユナイテッドと建造契約が締結されています。1番艦は2027年度、2番艦は2028年度の就役を目指すとしています。
基準排水量は1万2000トン、速力は約30ノット(約55.6km/h)。動揺に強く、居住性も向上させる方針が示されています。乗組員は約240人となる見込みで、これまでのイージス艦より20%以上の省力化が図られます。
この巨艦の心臓となるのが、ロールス・ロイス社製の世界で最も出力密度が高い船舶用ガスタービンエンジン「MT30」で、世界初となるツインMT30ハイブリッド電機機械推進システムが採用されます。
就役後は、西側で最大の水上戦闘艦となる見込み。主にBMD(弾道ミサイル防衛)を担当し、「最新鋭イージス艦と同等以上の能力」が付与される予定です。これにより、既存のイージス艦8隻がBMD任務から解放され、南西諸島方面の洋上侵攻阻止に振り向けることも可能になります。
主要装備は「SM-3ブロックIIA」弾道ミサイル迎撃誘導弾や、HGV(極超音速滑空兵器)への対処能力を持つ「SM-6」対空ミサイルなどを想定。各種能力が向上するため、 VLS(垂直発射装置)は現時点で最新となる、まや型護衛艦の96セルから128セルに増強されます。
船体が大型のため拡張性にも優れており、2032年以降、敵の脅威圏外から攻撃が可能な「12式SSM能力向上型」や「トマホーク」巡航ミサイルなどを搭載する予定。ドローンによる飽和攻撃に対処する高出力レーザーなども装備する見込みです。

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