「無人潜水艦」と言えなくもない?
対機雷戦に関する能力が付与されているからこそ海上自衛隊護衛艦隊は2025年2月7日、護衛艦「くまの」の訓練模様を公式Xで公開しました。
2023年、アメリカ海軍の無人水上艦(手前)と共同訓練を行った際の護衛艦「くまの」(画像:海上自衛隊/アメリカ海軍)。
公開されたのは、水中を漂う機雷などを無害化・処分する水中処分員(EOD)の訓練ですが、隊員とともに見慣れない黄色い装備も。これは海上自衛隊が最近運用を始めたばかりのUUV(Unmanned Underwater Vehicle)と呼ばれる「自律型水中航走式機雷探知機」です。
UUVは、別名「水中ドローン」「無人水中航走体」などといわれたりもする「自律型無人潜水艇」で、このたび公開されたものは掃海作業に用いるタイプになります。
「くまの」は、海上自衛隊が現在取得を進めているもがみ型護衛艦の2番艦で、2022年3月に就役したばかりの新鋭艦です。
もがみ型は、従来の護衛艦と比べて省人化に配慮した設計になっているほか、これまで掃海艦艇が担ってきた対機雷戦に関する能力が付与されているのも特徴で、その中核装備としてUUV(自律型水中航走式機雷探知機)を護衛艦として初めて装備するようになっています。
公開された画像を見ると、おそらく国産のOZZ-5のようです。このモデルは防衛省技術研究本部(現、防衛装備庁)が開発、三菱重工業が製造しており、全長4m、重量は0.9t、リチウム2次電池を搭載し、最大速力は7ノット(約13km/h)、速度を4ノット(約7.4km/h)に抑えれば9時間航走可能な能力を有しています。
なお、防衛省の説明では、OZZ-5は運用時に直上を並走するUSV(無人水上艇)と音波を用いてデータをやり取りすることで、リアルタイムでデータの授受が可能になるとしています。
海上自衛隊では、改もがみ型ともいえる次世代護衛艦(通称、新型FFM)の建造も計画されていることから、今後こうしたUUVは広く運用されるようになると見込まれます。
※誤字を修正しました(2月12日8時5分)

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