ヨーロッパで新たな飛行艇が生まれるかも。
派生型として貨物機仕様や旅客機タイプも大手航空機メーカーのエアバスは2025年3月14日、フランスの新興企業HYNAEROが計画する消防飛行艇「FREGATE-F100」の開発プログラムに出資すると発表しました。
新明和工業が開発・製造する国産の救難飛行艇US-2(画像:海上自衛隊)。
HYNAERO社は、フランス南西部の都市ボルドーを拠点にしており、世界中で頻発する森林火災に立ち向かうために最新の消防飛行機としてFREGATE-F100プログラムを開発しているといいます。
FREGATE-F100は、胴体下部が船形をしており、直接着水して取水する構造となっています。主翼は直線翼でエンジンはターボプロップ2基、最高速度は250ノット(約463km/h)を発揮、胴体内には最大10tの水を積むことが可能で、滞空時間は4時間(拠点となる飛行場から約400km先の現場へ飛び、2時間半の活動が可能)を目安に定めています。また車輪付きの降着装置を備えており、一般的な飛行場での発着も行えます。
試作機などはまだですが、HYNAERO社の公式WEBサイトには、貨物機や旅客機に転用したモデル含め様々なイメージが公開されており、旅客機モデルは胴体内に横2×2席、縦7列の計28席を備えた画像を見ることが可能です。
従来、新興企業が進めていた開発プロジェクトに大手企業のエアバスが参加を表明したことで、もしかしたら実機の製作に弾みがつくかもしれません。
なお、日本でも山林火災対応用の消防飛行機は、にわかに注目を集めています。
石破 茂首相が10日の参院予算委員会で、先日起きた大船渡市における大規模山林火災を受け、消防飛行艇の可能性について検討を早急に行うと述べたほか、高橋光男参議院議員も「海外では主流となっている消防飛行艇の導入を進めるべきだ」と述べ、海上自衛隊が装備する国産飛行艇US-2をベースに消防飛行艇を開発する可能性が過去、検討されていた事例を挙げるなどしています。

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