高速道路のICやJCT、SA・PAで本線に合流する際に、加速車線の先頭で合流する「ファスナー合流」。これをズルと感じる人もいるようですが、実は渋滞緩和に役立つ合流方法です。

連休前に呼び掛けを行うNEXCO中日本

 NEXCO中日本東京支社は2025年4月20日、「インターチェンジやサービスエリアから高速道路本線へ合流の際は、加速車線の先頭まで進み、1台ずつ交互に合流するファスナー合流にご協力をお願いします」と公式Xに投稿し、「ファスナー合流」への協力を呼び掛けました。

ズルくない!「ファスナー合流」 渋滞緩和に貢献する理由とは ...の画像はこちら >>

渋滞している高速道路(画像:写真AC)

 ゴールデンウィークなどの大型連休にクルマで遠出すると、避けて通れないのが高速道路の渋滞です。そしてこの混雑を緩和する方法の一つが、ファスナー合流になります。

 ファスナー合流とは、高速道路のICやJCT、SA・PAで本線に合流する際、加速車線が絞られる先頭の部分で合流する方法のことです。この方法の場合、走行車線を走るクルマも合流箇所が予見でき、1台ずつスムーズに合流できるため、渋滞を緩和する効果があるとされています。特にNEXCO各社や日本自動車連盟(JAF)は、これを積極的に推進しています。また、自動車メーカーではいすゞも公式Xで「ファスナー合流」を呼び掛けたことがあります。

 この合流方法の有効性については、実際にNEXCO中日本が「ファスナー合流大作戦」と題して実験したこともあります。2019年に行われたこの取り組みでは、名神高速上りの一宮JCTで合流部にラバーポールを立て、先頭の部分でしか合流できない構造にしました。その結果、渋滞による損失時間が約3割減ったそうです。

 ただ、ファスナー合流を知ってか知らずか、混雑していても合流部が始まった途端に合流しようとするクルマ、そのクルマを追い越して先頭で合流しようとするクルマ、さらにそれを「ズルい」と感じるのか、なかなか譲らないドライバーも見られます。SNSでは「ファスナー合流で譲らないやつ、譲らないつもりなら前にもっと詰めて運転しな」「ファスナー合流の方が空いてるからそっちの先まで行くのに嫌な顔されるの意味不明」と譲らないドライバーに関しての批判もあります。

 ファスナー合流の周知がまだ足りないのではという意見もSNSにはあり、「国土交通省はファスナー合流の推進を全局のCMで流して欲しい。周知されれば幾らかの無駄な渋滞も緩和されるであろう」と、もっと大々的に宣伝するべきという意見もあるようです。

【動画】あ、分かりやす! これが、ファスナー合流が渋滞緩和に役立つ仕組みです
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