東武伊勢崎線(スカイツリーライン)が、豊洲方面へ直通することが決定しました。どのような運行形態となるのか、東武鉄道へ詳細をたずねました。

東武鉄道「既存の半蔵門線直通列車の減便は考えていない」

 東京メトロと東武鉄道は2025年4月、2030年代半ばの開業を予定している有楽町線の延伸区間(豊洲~住吉)について、半蔵門線の住吉~押上を経由し、東武伊勢崎線(スカイツリーライン)と相互直通運転することで基本合意しました。どのような運行形態となるのか、東武鉄道へ詳細をたずねました。

東武伊勢崎線が「豊洲直通」へ! 運行形態はどうなる? “利便...の画像はこちら >>

東武スカイツリーラインの50050型電車(画像:写真AC)

 有楽町線の延伸区間(豊洲~住吉)は、豊洲駅から東西線の東陽町駅を経て、半蔵門線・都営新宿線の住吉駅に至る約5.2kmの区間です。

 東武鉄道は、2024年4月に公表した「東武グループ中期経営計画2024~2027」で、「地下鉄有楽町線延伸に伴う新たな輸送ネットワーク構築に合わせた検討」を推進する方針を盛り込んでおり、それが具体化した形です。

 また開業後は、東京メトロ有楽町線を介して東武東上線と東武スカイツリーラインが東京側でつながることにもなります。

 東武スカイツリーラインは既に、東京メトロ日比谷線、および東京メトロ半蔵門線-東急田園都市線と相互直通運転を行っており、特に後者は急行など優等列車の基本的な運転系統となっています。新たな直通運転の実施は、既存のネットワークに影響を及ぼすのか聞きました。

――東武スカイツリーラインが豊洲方面へ直通することで、既存の大手町方面への半蔵門線直通列車が減ってしまう可能性はあるのでしょうか?

 今のところ半蔵門線の本数を減らすことは考えておらず、これから決めることにはなりますが、半蔵門線のお客様にご不便をかけない形で考えていきます。

伊勢崎線~有楽町線~東上線の「直通」はあるのか

――有楽町線の延伸により、スカイツリーラインと東上線が地下鉄を介して物理的につながることになりますが、直通運転は検討するのでしょうか?

 現時点では、東武本線(スカイツリーライン)と東上線間の営業列車の相互直通運転は具体的には計画していません。

――東武スカイツリーラインと有楽町線延伸区間(豊洲~住吉)を結ぶ特急列車の運行は将来的に検討するのでしょうか?

 将来的には様々なことを考えていきたいと思っていますが、現時点では具体的な運行計画は未定です。お客様にとって利用しやすいダイヤとなるよう、今後様々な観点から検討していきます。

――現在、半蔵門線や東急田園都市線への直通列車に使用されている50050系電車は、改造工事を実施して豊洲方面に直通するのでしょうか?

 現時点では具体的な運行計画は未定であるため、必要があれば検討を行っていきます。


※ ※ ※

 直通運転の効果として、春日部~豊洲間は約61分から約53分に、草加~東陽町間は約40分から約29分に、押上~豊洲間は約22分から約14分に短縮。いずれも乗り換え回数は2回から0回となる見込みです。なお、直通列車は10両編成となることが発表されています。

 東武鉄道は「現時点では具体的な運行計画は未定」としつつも、既存の半蔵門線直通列車は減らさず、大手町方面への利便性は落とさない形で検討を進めていく考えです。利便性は大きく向上することになります。

 東武スカイツリーラインは、都心側のターミナル駅が浅草駅となり、山手線には接続していません。そのため、日比谷線や半蔵門線といった地下鉄への直通を拡大することで、利便性を高めてきました。今後は有楽町線へも直通することになり、地下鉄直通列車はさらに充実することになりそうです。

編集部おすすめ