長らく工事が続き、「100年に1度」といわれる大規模再開発が実施されている渋谷駅の開発が最終章を迎えます。
渋谷駅周辺の開発が最終章へ東急とJR東日本、東京メトロの3社は2025年5月19日、大規模再開発ビル「渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟」の起工式を開催しました。
東急東横線の車両(画像:写真AC)
渋谷駅周辺では、再開発ビル「渋谷スクランブルスクエア」の整備や駅改良、ハチ公広場や東口広場などの整備を同時並行で進める「渋谷駅街区計画」が進行中です。「渋谷スクランブルスクエア」は、2019年に第1期(東棟)が開業。第2期(中央棟・西棟)は当初、2027年度の完成を目指していましたが、2031年度の完成に工事スケジュールが変更されました。
「渋谷スクランブルスクエア」の中央棟は地上10階地下2階、西棟は地上13階地下4階で、総延べ床面積は約9万5000平方メートルを想定。施設内には商業施設や、各国大使館と連携したグローバルな文化交流体験を提供する国際交流施設なども入る見込み。商業施設は既に開業済みの東棟と合わせて、首都圏最大級の売り場面積(1フロア最大約6000平方メートル)となる予定です。
今後、2030年度に駅の東西を結ぶ多層の歩行者ネットワークが概成を迎えます。この段階で、銀座線渋谷駅の直上に位置する空中回廊「東口4階スカイウェイ」や、渋谷スクランブルスクエア西棟の西側に整備される「西口3階上空施設」が完成します。地上レベルでは、JRハチ公改札前に東西自由通路が設けられます。
2031年度には、渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟が竣工。2033年度にはエレベーターやエスカレーターで地下やデッキから地上に人々を誘導する縦軸空間「アーバン・コア」も整備される予定です。
その後、2034年度までにハチ公広場や東口広場など、5つ(計約2万平方メートル)の広場空間が誕生し、渋谷駅周辺の整備計画が完了する見込みとなっています。2030年度から、段階的に各鉄道間の乗り換えや街へのアクセスが飛躍的に改善します。

起工式に参列した鉄道各社の社長。左から東急の堀江社長、JR東日本の喜勢社長、東京メトロの山村社長(乗りものニュース編集部撮影)
建設地で開かれた起工式には、東急の堀江正博 社長、JR東日本の喜勢洋一 社長、東京メトロの山村明義 社長ら関係者が出席。玉串を捧げたほか、鍬入れを行って工事の安全を祈願しました。
式典で東急の堀江社長は「渋谷スクランブルスクエアは地域のハブ機能を担い、新たな賑わいと価値を創出します。これまでに増して、3社が一体となって協力していきます」と挨拶。
JR東日本の喜勢社長は「3月に開業した高輪ゲートウェイシティと渋谷を連携させ、日本のどこにもないナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)を実現したい」と力を込めました。
東京メトロの山村社長は「工事完成の暁には、銀座線の直上にスカイウェイができ、歩行者ネットワークが充実するほか、広場も各所に完成し、駅まち一体のプロジェクトが形成される」と話しました。