クルマのフロントガラスの汚れを落とすウォッシャー液ですが、買うのが面倒だからと水道水や自作洗剤で代用することは可能なのでしょうか?
わざわざ自作するほど高いものでもない?梅雨の季節は、雨が止んだ後にできる「雨シミ」や「ウロコ」といった汚れが気になる時期でもあります。ほかにも、油膜や虫の死骸などさまざまな汚れが付きやすく、それらを落とすにはウォッシャー液を吹き付けて、ワイパーでふき取るのが一般的です。
ウォッシャー液用のタンクのフタはワイパーマークが描かれていることが多い(画像:写真AC)
このウォッシャー液は、車のエンジンルーム内にある専用タンクに貯蔵されています。使い切った場合は補充が必要になりますが、もしカー用品店が近くになかったり、雨天で出かけるのが面倒なときは、水道水や家庭用洗剤で代用できるのでしょうか。カー用品店の担当者に話を聞きました。
担当者によると、水道水だけでウォッシャー液を代用するのは推奨できないとのこと。その理由は、水道水に含まれるカルキなどの成分が、ウォッシャー液が通るホースやノズルに目詰まりを引き起こし、故障の原因となる可能性があるためです。「少し使う程度なら問題ないかもしれませんが、できれば控えたほうがよいでしょう」とのアドバイスもありました。
また、ウォッシャー液の主成分は、界面活性剤とメタノールまたはエタノールです。このため、エタノールを含む性質を持つ食器用洗剤を使い、自作ウォッシャー液を作る方法もネット上で紹介されています。
その方法としては、タンクに水を入れ、食器用洗剤を数滴たらすだけ。しかし、水と洗剤の配分を誤ると泡立ちすぎてしまうことがあり、液の粘度が高まるとホースやモーターに余計な負荷がかかることにもつながります。これについても、担当者は「確かに自作洗浄液は10円程度で出来るというメリットはあります。しかし、ウォッシャー液は比較的安価なので、わざわざリスクを取ってまで自作する必要はないと思います」と話してくれました。
毎回、完璧な配合で自作できれば問題は少ないかもしれませんが、フロントガラス用のウォッシャー液は、カー用品店で確実に入手でき、価格もほとんどの商品が1,000円以下です。そのため、コストや手間、そして故障リスクを考えると、自作は緊急時の代用品としてとどめておくのが無難といえそうです。