ANAが日本の航空会社として導入する新型機「エンブラエル E190-E2」はどのようなものなのでしょうか。姉妹機の機内に入ってみました。
ANA(全日空)が2025年6月、ブラジルの航空機メーカーのエンブラエルと、新型機「エンブラエル E190-E2」の購入契約を結びました。この機はどのような特徴があるのでしょうか。この契約が結ばれたパリ航空ショーでは、姉妹機である「E195-E2」が展示されたので、その客室に入ってみました。
ANAが導入するE190-E2の姉妹機、E195-E2「プロフィットハンター」(乗りものニュース編集部撮影)。
E190-E2が導入される日本の航空会社はANAが初めてとなります。同時に、ANAが初めて採用するエンブラエル製旅客機でもあります。
E190-E2の標準座席数は97席から120席で、JAL(日本航空)グループのJ-AIRやFDA(フジドリームエアラインズ)でも導入されている「E-JETS」をベースにしつつ、新型エンジンの搭載や新設計の翼などの改良を図った「E2」シリーズのひとつ。E190-E2は2018年から商業飛行を開始したモデルで、今回ショーで展示されたE195-E2は、その胴体延長タイプにあたります。
E190-E2・E195-E2などの「E2」シリーズは横2-2列の座席レイアウトで、中央席がないことが特長です。また、機体サイズこそ小さいものの、先代の「E-JETS」シリーズを使用していたとある航空会社の担当者によると、1席あたりの専有面積は大型の最新複通路機(エアバスA350やボーイング787)と引けをとらないともいわれているとのこと。さらにこの会社ではシートの設置方法に工夫を加えたことで、足元の柱をなくし、広さを確保しています。
「E2」シリーズはこの”実は広い”という「E-JETS」のメリットを活かしながら、より快適性の向上が図られています。
座席の仕様は航空会社ごとに異なるため、ANAのE190-E2がどのような座席を採用するかは今後注目されるべきポイントですが、これまでの「E2」シリーズの客室においては、Wi-Fi接続や充電設備、そして個人モニターも備えた”大型機顔負け”な仕様も公開されています。
同社ではE190-E2を2028年より、プロペラ機のDHC8-Q400、150席超のボーイング737の中間を埋める国内線機材として運用していく予定です。新たなメーカーから導入する機体であることから、シート仕様自体も、従来のANA国内線仕様機より快適性の高さをウリにしたものが導入される見込みが高そうです。