最近はクルマの価格が高騰していますが、中古の軽自動車なら“本体10万円”クラスからも狙える、楽しいモデルがまだまだ流通しています。どんなモデルがあるのでしょうか。
原材料価格の高騰や不安定な世界情勢もあって、昨今はクルマの価格が大きく上昇しています。手軽に走りが楽しめる、おサイフに優しいモデルも随分と少なくなりました。しかし、柔軟な発想で探せば、わずかな予算でも運転が楽しめるクルマがまだまだ存在します。
特に、大学自動車部などに所属する免許を取ったばかりの若者や、運転や改造の技術をリーズナブルに学びたい人々に注目されているのが“中古の軽自動車”です。
スズキ「Kei」1998年にデビューしたKeiは、セダンとSUVのいいとこ取り的なポジションを狙った、今でいえばクロスオーバーSUVでした。大径のホイールと、全高をやや高めにとったスタイルが特徴的ですが、エンジンは「アルト」などで実績のあった「K6A」型や「F6A」型を搭載。特にK6A型のターボエンジンを搭載したモデルは、当時の自主規制いっぱいの64psを発生していました。
スズキ「Kei」のフロント周り(画像:スズキ)
さらに、2000年にスポーツタイプの「アルトワークス」が生産中止になると、Keiをベースとした後継モデルの「Keiスポーツ」が登場しました。2002年のマイナーチェンジでは「Keiワークス」へと名前を改めるとともに、4輪ディスクブレーキや15インチホイール、レカロシートを新たに装着。専用のエアロパーツもまとい、一気にスポーティな装いとなりました。
Keiは2009年の生産終了まで、11年間も販売されるロングセラーとなりました。中古車の流通量もいまだに豊富で、本体10万円そこそこの値段で取引されることも。
2005年発売のダイハツ「エッセ」も魅力的です。エッセは同社の「ミラ」をベースに、雑貨のようなシンプルでかわいらしいデザインを売りにしていたモデルですが、動力性能にも優れていました。

キビキビ走れるダイハツ「エッセ」(画像:ダイハツ)
エンジン出力は58psと控えめでしたが、シンプルさを追求したおかげで車両重量は700kg台と非常に軽量。5速マニュアルミッションも選ぶことができ、重心の低さも相まってキビキビと走ることができました。
そんなエッセですが、当時はハイトワゴンタイプの軽が大流行していたこともあり、新車時は2011年の販売終了まで今ひとつマイナーな存在にとどまりました。一方、安価な社用車としては一定の需要があったため、最廉価グレードの「エコ」を中心に、今も多くの個体が中古車市場で流通しています。
なかには、2025年の今も本体価格20万円程度から狙える物件も。マニアの間では隠れた“走れる軽”として親しまれています。
スバル「R2」スバルの意欲作だった「R2」も狙い目のひとつです。個性的な顔つきをはじめ、独特なスタイリングが目を引く1台ですが、「レックス」や「ヴィヴィオ」といった名車で知られるスバルの軽らしく、走りの性能も重視したモデルでした。
搭載するエンジンは直列4気筒の「EN07型」。
R2も2025年7月現在、中古車市場では10万円程度から流通していますが、64psを発生するスーパーチャージャー付きモデルには7速CVTしかない点に注意です。マニュアルミッションを楽しみたいのであれば、自然吸気のモデルも魅力的な選択肢となるでしょう。
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今回紹介した3モデル以外にも、リーズナブルな価格で運転を楽しめる軽自動車は多数存在します。リーズナブルな値段で運転テクニックを磨ける中古の軽は、クルマ趣味の入門編といえるかもしれません。