本気がすぎる!
座学…なんと3時間!伊丹空港内にあるJALエンジニアリングの格納庫で、ユニークな一般向けイベントが開催されました。その名も「超マニアックな整備講座」。
JALグループ「超マニアックな整備講座」の様子(乗りものニュース編集部撮影)。
このイベントは、JALエンジニアリングの訓練教官による3時間におよぶ旅客機に関する座学と、「重整備」を受ける機体の格納庫見学を組み合わせたものです。今回の対象機は、同グループで伊丹空港を拠点に地方路線を主に運航しているJ-AIRのエンブラエル170および190でした。
座学では、エンブラエル機の特徴紹介をはじめ、油圧システムやエンジン構造の解説など、多岐にわたる内容が取り上げられました。
たとえば、エンブラエル170・190は、胴体を縦に割ると半円を二つ重ねたような「ダブルバブル構造」が特徴とのこと。これは、広い客室と荷物室を確保できる一方、断面が完全な円形でないため、一部に力が集中しやすく、構造を強化する必要があるため重量が増すという特性があります。
また、この2機種には、他社の航空機では標準装備とされる、風圧の差を利用して速度を測定する「ピトー管」が設置されていないのも特徴です。その代わりに、「スマートプローブ」と呼ばれる、ピトー管を発展させた装置が用いられており、空気圧力を感知して速度だけでなく高度や機体姿勢まで測定し、その情報をデジタル信号としてコックピットの計器に送る方式が採用されています。
座学の後には、エンブラエル170型機「JA222J」の重整備の様子を見学しました。
なお、このイベントは、JALのマイレージプログラム「JMB(JALマイレージバンク)」会員向けに実施されており、1万マイルとの交換で参加可能となっています。