機体前部のカナード(前翼)が特徴。

1年でどれだけ増えたのか

 防衛省は2025年7月15日、今年度版の防衛白書を公表しました。

ここでは中国と台湾の軍事バランスにも触れており、「全体として中国側に有利な方向に急速に傾斜する形で変化している」と指摘しています。

中国軍の「新鋭ステルス戦闘機」どれだけ増えた? 既に米空軍の...の画像はこちら >>

中国軍のJ-20ステルス戦闘機(画像:中国航空工業集団)

防衛白書では「中台軍事力の比較」として、中国と台湾の戦車や艦艇、近代的戦闘機の保有数も公表しています。それによると、中国空軍はステルス戦闘機「J-20」を230機保有しているとのこと。

なお、昨年度の防衛白書ではJ-20の保有数は200機となっており、1年で30機も増えています。航空自衛隊の1個飛行隊(戦闘機約20機)を上回る数のステルス戦闘機を1年で生産したことになります。

 J-20は、アメリカが開発したF-22「ラプター」やF-35「ライトニングII」といったステルス戦闘機と同世代に分類される中国独自開発の最新鋭戦闘機です。F-22やF-35と異なり、主翼のほか機体前部にカナード(前翼)が付いているのが外観上の特徴。2011年1月11日に初飛行しており、中国国防部が2018年2月に作戦部隊への引き渡し開始を発表しています。

 世界最強の戦闘機と言われるF-22は187機で製造を終了しており、J-20は昨年度の時点でF-22の生産機数を上回っていました。

 中国はこのほか、ステルス性こそ備えていないものの、高性能なJ-10、J-15、J-16などの第4世代機も多数保有。第4・5世代戦闘機の保有数は1年で1588機から1688機に増加しています。

 いっぽう航空自衛隊のステルス戦闘機F-35Aの保有数は、2025年3月31日時点で39機。

昨年度の同時期における保有数は38機となっており、わずか1機しか増えていません。

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