敵の上陸用舟艇なども撃破できます。
実射のために約1600km離れた駐屯地から来訪陸上自衛隊倶知安(くっちゃん)駐屯地は2025年7月17日、北部方面隊舟艇対戦車隊が実施した96式多目的誘導弾の射撃訓練を、公式Xにおいて動画で公開しました。
以前、佐多射撃場で訓練を行った際の北部方面隊舟艇対戦車隊の96式多目的誘導弾システム(画像:陸上自衛隊倶知安駐屯地のXより)。
96式多目的誘導弾は、赤外線画像と光ファイバーによる有線誘導方式の国産ミサイルで、戦車に対してだけでなく、上陸用舟艇など小型船舶に対しても用いることが可能。ゆえに「多目的」と名付けられています。なお、通称は「MPMS」。これは英称の「Multi-Purpose Missile System」を略したものになります。
教育用を除き、第一線部隊として配備しているのは前出の北部方面対舟艇対戦車隊のほかに、第2対舟艇対戦車中隊(上富良野駐屯地)と西部方面対舟艇対戦車隊(玖珠駐屯地)の3部隊しかありません。
公式Xの説明によると、射撃訓練は7月1日に行われたとのこと。対舟艇射撃訓練のため、沖合を航行中の標的船に対して行い、命中の成果を収めたといいます。
訓練が行われた佐多射撃場は、九州南端の鹿児島県南大隅町にある陸上自衛隊の訓練場で、日本国内において唯一、96式多目的誘導弾システムや中距離多目的誘導弾の対舟艇射撃が可能な場所です。
北部方面隊舟艇対戦車隊が所在する倶知安駐屯地(倶知安町)は北海道にありますが、道内にはMPMSの実射が可能な訓練場がないため、本州や九州を縦断して約1600km離れた佐多射撃場まで行き、訓練しています。
なお、知安駐屯地は公式Xにおいて、「映像で見ると簡単に命中しているように見えますが、これは厳しい訓練があってこその『命中』です!」と記していました。
【動画】動く標的船に「多目的ミサイル」命中する瞬間をムービーで