東海汽船が東京・竹芝桟橋で”停泊型“の船上ビアガーデン「さるBEER(さるビア)」の営業をスタートしました。そのフライヤーには、「今年は動かなくてごめんね」の文字が。
2025年7月18日、東海汽船は停泊型船上ビアガーデン「さるBEER(さるビア)」の営業を、東京・浜松町の竹芝桟橋にてスタートしました。
竹芝桟橋に停泊する「さるびあ丸」。ここが「さるBEER」の舞台(乗りものニュース編集部撮影)
「さるBEER」は、伊豆諸島航路を運航している約6000トンクラスの大型旅客船「さるびあ丸」の船上において、夏季限定でビアガーデンを営業するイベントです。期間は7月18日~8月31日(8月26日、27日を除く)の43日間。毎日19時30分から21時20分まで営業します。
料金プランは「スタンダードプラン」と「指定席プラン」の2タイプから選ぶことができ、全日予約制となっています。スタンダードプランは大人・子ども共通で1名2000円。飲み放題(一部有料)付きで、フードは船内で別途購入する形式です。
また、指定席プランには「レストランプラン」(1名5500円~)と「洋室プラン」(1名6000円~)が用意されており、入場料に加えて飲み放題・料理・指定席がセットとなります。追加オプションとして、オードブルのバラエティセット(4000円)や島寿司(10貫2000円)などもオーダーできるとのことです。
オープン初日の7月18日、さるびあ丸は訪れた多くの乗船客の姿でにぎわいました。
ただ、今回のイベントのフライヤーには、「今年は動かなくてごめんね」という文言も。昨年までは、船を動かしてイベントを行っていたのです。
“遊覧”しないのは寂しいけれど…東海汽船は2024年まで、「さるびあ丸」に乗ってお酒やフードを楽しみながら東京港周辺を遊覧する「東京湾納涼船」を運航していました。この納涼船は、戦前から90年以上にもわたり“夏の風物詩”として親しまれてきたといいますが、今回の「さるBEER」は遊覧航行を行わず、竹芝桟橋に停泊した状態で営業されます。
従来、納涼船は伊豆諸島での定期運航の合間を縫う、タイトなスケジュールのなか運航されていました。東海汽船は2025年4月、国土交通省から船員法に基づく「是正命令」並びに海上運送法に基づく「輸送の安全確保に関する命令」を受けており、いわば船を“休ませる”ために、イベント形態を遊覧船から停泊型のビアガーデンへ変更したのです。
初の試みとなる「さるBEER」。船は動かなくても、船上の賑わいは従来とそう変わらない印象で、長い間親しまれてきた“夏の風物詩”は形態が変わっても健在といえそうです。
なお、「さるBEER」の入場者には、東京~大島・利島・新島・式根島・神津島間の大型客船の往復50%割引券(2等限定)がプレゼントされます。