イギリス海軍は2025年7月22日、潜水艦の魚雷発射管から無人潜水艇(UUV)を発射し、回収する実験を行ったと発表しました。
無人艇を発射し回収することに成功イギリス海軍は2025年7月22日、潜水艦の魚雷発射管から無人潜水艇(UUV)を発射し、回収する実験を行ったと発表しました。
イギリス海軍のアスチュート級原子力潜水艦(画像:イギリス海軍)
「スキュラ計画」と呼ばれるこの試験は地中海で実施され、攻撃型原子力潜水艦の魚雷発射管から無人潜水艇の発射と、回収が可能であることが実証されました。
この実験は、オーストラリア・イギリス・アメリカの三国による安全保障協定「AUKUS(オーカス)」の一環として行われており、オーストラリアへの原子力潜水艦の供与・開発支援を行う「ピラー1」と並ぶ重要分野である、先進技術(AI、無人機、量子技術、サイバー、潜水艦戦など)の共同研究・開発を目的とする「ピラー2」に関連しています。
魚雷発射管から発射される無人潜水艇は、敵に発見されにくい潜航中に、攻撃型潜水艦が持つ既存の装備のみで運用できるという利点があります。そのため、イギリスの原子力攻撃型潜水艦の運用能力を拡張し、水中偵察、水中通信、海底戦などの任務を支援することが期待されています。
なお、イギリス海軍の水中戦領域能力担当副部長を務めるマーカス・ローズ准将は、「この試験の成果は、将来のハイブリッド艦隊における先進技術の活用に対する我々の取り組みを示しており、潜水艦部隊に新たな能力を提供するための大きな一歩です」と述べています。