九州から牽引式の155mmりゅう弾砲FH70が姿消す日も遠くないようです。
車体はドイツ製の8WD大型トラック陸上自衛隊の新装備「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」がこのたび、宮﨑県のえびの駐屯地に所在する西部方面特科連隊第3大隊に配備されました。
西部方面特科連隊第3大隊に配備された19式装輪自走155mmりゅう弾砲と要員たち(画像:陸上自衛隊えびの駐屯地)。
西部方面特科連隊は、九州・沖縄地方の8県を警備担任区域として受け持つ西部方面隊の隷下で、大口径砲や地対艦ミサイルなどを集中的に管理・運用している第2特科団に所属しています。
連隊本部と本部中隊、情報中隊、第1大隊を北熊本駐屯地(熊本市)に置き、そのほかに第2大隊が玖珠駐屯地(大分県玖珠町)、第3大隊がえびの駐屯地(宮崎県えびの市)、第4大隊が久留米駐屯地(福岡県久留米市)に配置されています。すでに第1大隊と第2大隊には19式装輪自走155mmりゅう弾砲が引き渡されており、このたび第3大隊にも納入された次第です。
19式装輪自走155mm自走りゅう弾砲は、旧式化したけん引式火砲の155mmりゅう弾砲(FH70)を更新するために導入が進められているもので、ドイツ製8輪式大型トラックの荷台に、国産の日本製鋼所製155mmりゅう弾砲を組み合わせています。この砲は基本的に従来の「99式自走155mmりゅう弾砲」と同じものであるため、射程や威力といった性能はほぼ同等で、砲弾や装薬も同じものが使用可能です。
えびの駐屯地では、新装備である19式装輪自走155mmりゅう弾砲の配備に伴い、7月24日に入魂式を行っています。
なお、西部方面特科連隊以外では、富士学校/富士教導団(静岡県小山町)や、武器学校(茨城県阿見町)、そして第5陸曹教育隊(福岡県久留米市)にも19式装輪自走155mmりゅう弾砲は配備されていますが、これらは教育部隊のため、第一線部隊としては西部方面特科連隊が初です。今後、他の部隊へも配備が進む予定です。
【新車キター!】19式装輪自走155mmりゅう弾砲の納入に密着!(動画で見る)