フランスの自動車メーカー、ルノーは2025年7月14日、新たな大統領専用車「プレジデンシャル・ルノー・ラファール」を発表しました。
色も特注品のカラーらしい!フランスの自動車メーカー、ルノーは2025年7月、新たな大統領専用車「プレジデンシャル・ルノー・ラファール」を発表しました。
「プレジデンシャル・ルノー・ラファール」のフロント部分(画像:ルノー)
この車両は、同社が製造するSUV「ラファール」の「ハイパーハイブリッド E-Tech 4×4 300hp」をベースにしており、ルノーによれば「フランスの革新性、耐久性、そして卓越性を象徴する一台」とのことです。
ボディカラーは、専用色「ブルー・プレジダンス」で塗装されており、太陽熱の吸収を最大10度抑える特殊な技術が施されています。さらに、塗装にはフランス国旗を想起させる青・白・赤のラメが含まれ、日光の下で美しく輝きます。
リアドアには、静かにスムーズに閉まるソフトクローズ機能が搭載されており、旗ポールはアクセスパネルの背後に控えめに格納されるなど、公式行事での品位を損なわない配慮がなされているとのこと。
内装には、ピレネー山脈で採掘される「ノワール・グラン・アンティーク」大理石がリアセンターコンソールやダッシュボード、ステアリング中央にあしらわれているのも特徴的です。
さらに、名工リュドヴィック・アヴネル氏による暗色ブナ材の寄木細工(マルケトリー)や、ルノーの職人による特注レザーシートなど、フランスの伝統工芸が随所に取り入れられています。
そして大統領専用車であるということで、軽量かつ高強度の複合素材が採用され、アーマー(防弾)が装備されています。それらのカスタムによる重量増を補うためにサスペンションが調整されているほか、20インチのシケインホイール、ミシュラン製全天候型タイヤ、4輪操舵機能によって敏捷性と安定性のバランスを取っているということです。
ルノーは1920年、ポール・デシャネル大統領の時代に「ルノー 40CV」が初めて大統領専用車として採用されて以降、歴代12人の大統領に公式車両として選ばれてきました。
なお、2025年現在の大統領であるエマニュエル・マクロン氏は、DSオートモビルズの電気自動車「DS N°8」を公用車として使用していますが、これとは別に、公式行事では「プレジデンシャル・ラファール」が用いられる予定です。
ちなみに、「ラファール」はフランス語で、「突風」や「疾風」などを意味する言葉ですが、現在フランス空軍や海軍が運用しているダッソーが開発した戦闘機の名前としても知られています。ただ真似したわけではないようで、同社はその件について「その名前を最初に使用したのは創業者のルノー創設者である、ルイ・ルノーだった」と説明しています。