イタリア空軍は2025年8月14日、NATO(北大西洋条約機構)の任務でエストニアに派遣中のF-35A戦闘機が、初めてロシア機の要撃任務を担当したと発表しました。
【画像】もはや陸上機? これが、バルト海を飛んでいた露空母艦載機です
NATO加盟国は、ロシアと国境を接するリトアニア、ラトビア、エストニアの防空能力を補完・強化するため、持ち回りで軍用機を派遣する「バルト空域警備任務(Baltic Air Policing)」を実施しています。
イタリア空軍は、ポルトガル空軍から任務を引き継ぐ形で、8月1日よりエストニアのアマリ空軍基地を拠点に空域監視を行っています。
同空域へのイタリア空軍のF-35派遣は、これが3回目となります。詳細は明らかにされていませんが、周辺海域で飛行する不審なロシア軍機を発見し、識別のために接近したと見られます。
なお、国際空域内でロシア軍戦闘機に対してイタリア空軍のF-35が要撃を実施したのは、今回が初めてとされています。
公開された写真などに基づく報道によれば、ロシア側の機体は海軍航空隊に所属するSu-24攻撃機と、北方艦隊の第279独立艦上戦闘航空連隊(OKIAP)に所属するSu-33艦上戦闘機と見られます。
Su-33の母艦である空母「アドミラル・クズネツォフ」は、2017年以降、修理および近代化工事のため長期間にわたり運用を停止しており、2025年7月以降には退役の可能性も報じられています。そのため、艦載機であるSu-33も、陸上基地からの運用が常態化していると見られます。