2025年8月5日、群馬県伊勢崎市で気温41.8度を記録し、観測史上日本最高気温となりました。この伊勢崎市には、県内や一部埼玉県の住民に親しまれている遊園地があります。
【れ、冷房付いてる!】これが、夏場でも快適な観覧車です(写真)
まず注目すべきは、華蔵寺公園のシンボルともいえる全長65メートルの大観覧車「ひまわり」です。この観覧車には計36台のゴンドラがあり、そのうち6台が冷房付きとなっています。
スタッフの方に話を伺うと、冷房付きゴンドラの運行は昨年から始まったとのこと。夏場は基本的にこの冷房付きゴンドラに案内しているそうです。
以前は、ゴンドラ内の温度が36度を超えると運行が停止されていたそうで、猛暑日が増えた近年は、夏場はほとんど運行できない状態が続いていたといいます。元々この「ひまわり」は、1984年に宇都宮市で開催された地方博覧会「84とちぎ博」で使用されていた観覧車で、かなり年季が入っていますが、冷房がなければ運行が困難とのことで、建造以来の大改修を実施したそうです。
ちなみに、冷房付きゴンドラの室温はおよそ26度と快適です。そして観覧車の高さは20階建てのビルに相当します。周囲にそれ以上の高い建物はないため、市街地や赤城山などを一望できます。
取材当日のゴンドラ内の温度は35度。
その話を聞いたため、流石に冷房付きのゴンドラに乗りました。噂通りかなり快適で、一瞬外の猛暑を忘れさせてくれました。
休憩所代わりのレア車両もあり もちろん冷房付き!また、園内には興味深い展示物もあります。国鉄時代に製造された183系特急形車両の先頭車「クハ183-1529」が、来園者向けの無料休憩施設として保存・公開されています。
華蔵寺公園遊園地の観覧車とジェットコースター(斎藤雅道撮影)
実はこの場所には以前、C61形蒸気機関車が静態保存されていましたが、同機関車は2010年にJR東日本により引き取られ、レストアのうえ動態保存となり、「国鉄C61形蒸気機関車20号機」として現在も運用されています。
その代替として寄贈され、2014年3月に公開が始まったのが、クハ183-1529です。この車両は1978年7月に運行を開始し、L特急「とき」として上野~新潟間を走っていました。
夏場の高温下では誰も入らないのではと思われがちですが、実はこの車両、空調設備は現在使用不可ですが、後付けで冷房が設置されており、いつもの車内は快適な温度が保たれています。そのため、昼食の弁当を食べるスペースとしても利用されています。
前橋市から訪れたご家族に話を聞くと、「車内は暑いと思っていましたが、意外にも快適で驚きました」とのことでした。
その他、園内にはジェットコースターや急流すべりのほか、昔ながらのサイクルモノレール、メリーゴーランド、レーザー銃を使った「スーパーシューティングライド」など、様々なアトラクションが揃っています。
華蔵寺公園で特筆すべきは、その乗り物料金の安さです。乗り物利用券は1枚70円で、観覧車やジェットコースターといった最も高額なアトラクションでも4枚(280円)で乗ることができます。1枚で利用できる乗り物も多く、他の民間遊園地に比べて圧倒的にリーズナブルです。
この手頃な料金に魅力を感じて訪れる人も多いようです。市内から訪れた家族連れの父親は、「家族で半日遊んでも1万円いかないので、すごいところですよ」と話してくれました。
ちなみに、華蔵寺公園には遊園地以外のエリアもあり、大きな滑り台や、つつじや桜の木が多数植えられた公園、鳥の観賞用ドームなども整備されています。もう少し涼しい季節に訪れれば、朝から夕方までたっぷり楽しめる施設です。