2025年8月18日、山梨県の甲府河川国道事務所は甲府市上石田周辺において、国道52号での新交差点への切り替えを8月下旬に実施すると発表しました。新たな交差点は国道52号と、その南側を走る県道5号線(通称「廃軌道」)を接続するものとなります。
【あらぬ方向に進みそう!?】これが甲府の「新交差点」です(写真で見る)
国道52号のうち、この周辺区間は山梨県立美術館に通じることから「美術館通り」と呼ばれています。今回の交差点切り替えは、この美術館通りの拡幅などを行う「国道52号 上石田改良事業」の一環として行われます。
事業区間の総延長は甲府市寿町の荒川橋の東側から、同市富竹一丁目までの1km。すでに、国道52号とアルプス通り(県道5号・7号線)が交わる、貢川交番前交差点から荒川橋までの2工区(750m)では4車線化が完了しており、現在は残る西側の1工区で事業が進んでいます。
新たに設置される「富竹東」交差点は、貢川交番前交差点の西側に位置。この部分は緩やかなS字カーブを描く片側1車線の道路となっており、慢性的に交通混雑が発生していました。また、近隣には県立甲府西高校や甲府市立西中学校など、学校施設も多く存在する一方、幅員が狭く歩道もない状態で、安全性の確保も課題となっていました。
事業では、この国道52号のS字カーブ部分を改良するとともに、すぐ南側を走る道路、通称「廃軌道」と接続します。廃軌道はその名の通り、かつて“ボロ電”の愛称で親しまれた路面電車の「山梨交通電車線」が走っていた軌道で、1962年の廃止後に道路へ転用されました。廃軌道では2024年に、今回の交差点新設を見据えた路線切り替えを実施しており、交通を分散して混雑を緩和しつつ、利便性を向上させたい考えです。
さらに、廃軌道側などを中心に歩道も新設されます。今後はアルプス通り以西の区間での4車線化を目指し、事業を進行させていく見通しです。