ついに軍隊での戦闘以外でもドローン被害が…

 コロンビアのアンドレス・フリアン知事は2025年8月22日、公式X(旧Twitter)で、コロンビア国家警察のUH-60「ブラックホーク」ヘリコプターがドローンによって撃墜されたとされる映像を公開しました。

【動画】ブラックホーク撃墜の瞬間…これが、ドローンの脅威です

 この攻撃は、同年8月21日、アンティオキア県アマルフィ市の農村部で発生したとみられています。

ドローンがブラックホークに体当たりする形で撃墜され、12人の警察官が死亡したと報告されています。

 なお、撃墜された機体は、コカインの原料であるコカの葉の栽培地で行われていた駆除作戦に参加していたとのことです。

 攻撃は、2016年の和平合意を拒否し武装活動を続けている、元FARC(コロンビア革命軍)の離脱派によるものとみられています。フリアン知事は、「カラルカと呼ばれる離脱派組織の指揮下で行われた可能性が高い」と述べています。

 コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、カラルカをはじめとする武装グループとの和平交渉や社会的再統合を重視する融和的な立場をとっており、これが一部の政治関係者や国内メディアからの批判を招いています。今回の事件を受け、フリアン知事も大統領の姿勢に対して強く非難しています。

 なお、ペトロ大統領は当初、この攻撃について国内最大の麻薬カルテル「ガルフ・クラン」によるものであり、自組織のコカインが押収されたことへの報復だと主張していました。

 一方、ドローンによって軍用ヘリコプターが撃墜されたことが初めて映像で確認されたのは、2024年8月のウクライナにおいてです。当時、ウクライナ軍がロシア軍のヘリコプターを撃墜した映像が公開され、ドローン兵器の新たな脅威が注目されました。市販のドローンは数十万円程度で購入可能であるため、今後、同様の手口によるテロやゲリラ攻撃の増加が懸念されています。

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