「身体的に」MT車が乗れなくなることも

「乗りものニュース」では、2025年8月13日(水)から8月20日(水)にかけて読者アンケートを実施し、「取得した運転免許」や「取得理由」などについて意見を募集しました。結果は、回答者の89.6%が限定なしの普通免許(以下、MT免許)で取得した人で、AT限定は6.9%、AT限定解除からMT免許を取得した人は3.5%でした。

【アンケート結果】アンケート結果を見る(画像)

 一方で、もともとMT免許を持っていたものの、AT限定免許へ切り替えたという声もわずかに寄せられています。どのような理由があるのでしょうか。

「病気の後遺障害で右足が使えなくなったのでAT免許に切り替えました」(男性・北関東在住・運転歴30年以上)
「脳血管疾患で片麻痺になってしまったのでやむなくAT限定に切り替えた」(男性・北関東在住・運転歴30年以上)

 このように、怪我や病気など身体的事情によりMT車の運転を諦めざるを得なかったという意見がありました。こうした場合には臨時適性検査や医師の診断書が必要で、運転免許試験場内の指定窓口で相談できる体制が整えられています。

 また次のような意見もありました。

「免許取り消しになってATで再取得」(男性・首都圏在住・運転歴30年以上)

 職業や日常生活でAT限定免許でも支障がなければ、再取得時にMTを選ばないケースもあります。AT限定免許は講習数が少なく、比較的短期間で取得できることも理由の一つといえます。最初からAT限定免許を取得する理由としても、同様の意見が多く挙がっています。

 さらに、教習所で当初はMT免許取得を目指していたものの、途中でAT限定に変更した人もいます。

「転職の際に必要で、2週間で取得する必要があり、MTの授業まで行けなかったから」(男性・首都圏在住・運転歴30年以上)
「マニュアルで取るつもりでしたが断念してオートマ限定で」(男性・東北在住・運転歴30年以下)
「MTでとっていたが、教官と大喧嘩してATに変更した」(男性・首都圏在住・運転歴20年以下)

 MT免許取得には時間がかかることや、難易度が高いことから断念するケースも一定数あるようです。

え、MTのレンタカーしかないの…ってことも(海外)

 海外の事情に関連する声も寄せられました。

MT免許「や~めた」その理由とは? AT限定「解除」を決断し...の画像はこちら >>

ホノルル空港のレンタカー。
アメリカはAT、ヨーロッパはMTのレンタカーが多い(画像:写真AC)

「MTも運転できるジュネーブ条約の海外の免許を持っており、日本国内で運転する場合は日本の免許でAT限定でも困らないから」(男性・九州沖縄在住・運転歴30年以上)
「元々AT限定で取ったが海外(欧州)でMT車のレンタカーしかなかったので」(男性・首都圏在住・運転歴20年以下)

 海外での運転には国際運転免許証が必要です。MT車が一般的な国ではMT免許が必須ですが、帰国後はAT限定で十分と考える人も多いようです。逆に、海外生活やレンタカー利用を見越してATからMTへの限定解除を行うケースもあります。

 AT限定解除についても多くの意見が寄せられました。

「免許取得時は車に興味がなかったので限定免許をとり、興味が出てきたのでMTに限定解除しました」(男性・近畿在住・運転歴30年以下)
「友人が乗ってるのを見てMT車を運転したくなったから」(男性・首都圏在住・運転歴10年以下)
「彼氏の車がMTだったので」(女性・北関東在住・運転歴30年以上)
「大型免許を取る時に限定解除」(男性・首都圏在住・運転歴10年以下)

 AT限定免許取得後にMT車へ興味を持ったり、運転したい車種が見つかったりしたという理由も多く寄せられました。

「高校生の時に免許をAT限定で免許を取ったら周りから馬鹿にされたのにムカついて一念発起してMTの限定解除をしました」(男性・近畿在住・運転歴20年以下)
「運転免許を早く取得したくてAT限定にしたが、仕事を離れている時に限定解除をしてみたいと思いキャンペーン価格にも後押しされて限定解除もした」(女性・近畿在住・運転歴3年以下)

 このように、社会的なイメージや教習所のキャンペーンがきっかけとなるケースもあるようです。

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