今までは正式に「「オールシーズンタイヤ」と呼んでいなかった?

 日本ミシュランは2025年9月2日、都内で新オールシーズンタイヤの発表会を開催しました。

【このマークが目印!!】雪の道を走れる「オールシーズンタイヤ」である証明(写真)

 今回発表されたのは、「MICHELIN CROSSCLIMATE 3(クロスクライメート3)」および「MICHELIN CROSSCLIMATE 3 SPORT」の2モデルです。

「CROSSCLIMATE 3」は、高い摩耗耐性によるロングライフ性能を備えており、夏の大雨や冬の突然の降雪など、予測しにくい気象条件にも対応可能。日常の運転に安心感をもたらすだけでなく、優れた静音性により、車内での会話や音楽も快適に楽しめます。

 さらに、低燃費性能をはじめとする環境性能にも優れており、持続可能な未来への貢献を意識した設計となっています。16インチから20インチまでの全35サイズを展開し、コンパクトカーからSUV、ガソリン車だけでなくハイブリッド車やEVにも幅広く対応しています。

 また、スポーツカー向けの「CROSSCLIMATE 3 SPORT」は、オールシーズンタイヤでありながら、スポーツタイヤに匹敵する高速安定性とハンドリング性能を実現しています。

 新製品発表会に登壇した須藤元社長は、冬場に1回、2回程度しか雪が降らない地域に同タイヤが適していることを説明し、「冬でも安心して走行でき、さらに年間で必要なタイヤが4本で済むことで、環境にも家計にも優しい、2つの安心を提供できるタイヤです」と語りました。

 なお、日本ミシュランでは、今回の「MICHELIN CROSSCLIMATE 3」の前モデルである「MICHELIN CROSSCLIMATE 2」までは、オールシーズンタイヤという表現を控え、「雪も走れる夏タイヤ」と称していました。

 この件について、ブランド戦略マネージャーの秋山考之氏は、「2019年にCROSSCLIMATEを日本市場で発売した当時は、オールシーズンタイヤに対して“中途半端なタイヤ”というネガティブな印象が残っていました」と説明します。そのため、夏季の走行性能に優れるCROSSCLIMATEシリーズは、あえて「雪も走れる夏タイヤ」として打ち出してきたとのことです。

 しかし近年、オールシーズンタイヤが市場に浸透し、そうしたネガティブなイメージも払拭されつつあります。秋山氏は、「今では、オールシーズンタイヤを求めるお客様が非常に多くなりました。ネガティブな印象がなくなったことで、新製品からは正式に“オールシーズンタイヤ”と明言しています」と述べました。

 ほんの5年ほど前までは、「積雪路でも本当に安全に走行できるのか?」がオールシーズンタイヤ選びの大きな判断基準でしたが、現在では「安全なのは当然」と認識されており、静音性や摩耗耐性(タイヤ寿命)が購入を決める大きな要因となっています。

 秋山氏は、「夏冬タイヤを分けて使用していれば5~6年使えるのに、オールシーズンタイヤが2年で使えなくなるようでは意味がない。やはり、ランニングコストで遜色がなく、40~50%のコストメリットが求められます」と述べ、「MICHELIN CROSSCLIMATE 3」がロングライフ性能を強く打ち出している背景には、こうしたユーザーニーズの変化があることを明かしました。

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