ドイツの防衛企業ラインメタルは、2025年9月15日、ブレーメンの老舗造船会社リュールセン・グループと、同社の軍事部門「Naval Vessels Lürssen(ネイバル・ヴェッセルズ・リュールセン:NVL)」の買収に関する基本合意に達したと発表しました。
【これ作ったところか!】ラインメタルが買収した「大戦中の万能ボート」(写真)
この合意により、近く買収契約が正式に締結される予定で、2026年初頭の買収完了を目指しています。
買収が成立すれば、ラインメタルは海軍分野の造船部門を新たに傘下に収めることになります。NVLは、第二次世界大戦中に掃海、機雷敷設、輸送、対潜護衛など多様な任務に対応可能なRボートを製造した企業として知られています。
戦後も、小型艦艇を中心に西ドイツ連邦軍およびドイツ連邦軍に対して、ヤグアル級、ゼーアドラー級、ツォーベル級、タイガー級などの高速攻撃艇を提供してきました。現在も、フランケンタール級掃海艇が運用されています。
また、海外への艦艇輸出実績も豊富で、シンガポール海軍向けのヴィクトリー級コルベットや、トルコ向けのクルチ級高速攻撃艇などが知られています。これまでに、50を超える国の海軍や沿岸警備隊に艦艇を納入してきました。
近年では、海上無人システムの研究・開発においても先駆的な存在とされており、ラインメタルのアルミン・パッペルガーCEOは「この買収によって、我々は単なる艦艇の製造者にとどまらない海軍の中核企業として、完全なシステムソリューションを提供していきます」と述べました。