コストパフォーマンスはミサイルの比較にならないくらい良い

 イスラエルの防衛企業ラファエル・アドバンスト・ディフェンス・システムズ(以下、ラファエル)は、2025年9月18日、開発中のレーザー兵器「アイアンビーム450」による無人機やミサイルの迎撃映像を公開しました。

【動画】あぶる感じ?「アイアンビーム450」が無人機を撃墜する瞬間

 ラファエルによると、アイアンビーム450の開発は最終段階に入り、迎撃テストでは複数の状況下において、ロケット弾、迫撃砲、無人航空機(UAV)を確実に迎撃する能力を実証。

現在、納入に向けた準備が進められています。この兵器はイスラエル国防省と共同で開発されており、同社は「世界初の実用的な高エネルギーレーザー防衛システム」としてその性能を強調しています。

 アイアンビーム450は、100kW級の高出力レーザーを数キロメートル先の標的に照射し、機体の翼や内部の精密機器を破壊することで、脅威を無力化する仕組みです。すでに試験的な実戦配備も行われており、2025年5月には、レバノンの武装組織ヒズボラの無人航空機を迎撃したと発表されています。

 注目すべきはその運用コストです。ラファエルによれば、無人機1機の迎撃にかかる費用は、1回の照射あたり約3.5ドル(約500円)とされています。これに対し、イスラエル軍が近距離のミサイルや航空機迎撃に使用している「アイアンドーム」は、1発あたり約6万ドル(約850万円)かかるため、比較にならないほど低コストです。ラファエルは「ほぼゼロに近いコストで運用できる」とアピールしています。

 ただし、詳細な射程や、標的に対してレーザーをどの程度の時間照射する必要があるかなどの技術的な情報は公開されていません。

 なお、イスラエル軍へのアイアンビーム450の納入は、2025年末を予定しているとのことです。

編集部おすすめ