総ドリルパイプ長は驚異の約8000m

 JAMSTEC(海洋研究開発機構)は、2025年9月24日、地球深部探査船「ちきゅう」で達成した総ドリルパイプ長7906mが、「最も深い海洋科学掘削」としてギネス世界記録に認定されたと発表しました。

【画像】ここがギネス世界記録を達成した場所です 異形の巨大船「ちきゅう」の全景も

 この掘削記録は、1年ほど前の2024年9月21日に行った際のもので、このとき「ちきゅう」は、水深6897.5mの地点で海底面下980mを掘削予定深度に到達。

これにより、総ドリルパイプ長7906mの世界記録を樹立しています。

 これは、2011年東北地方太平洋沖地震、いわゆる東日本大震災が発生した宮城県沖の日本海溝において、巨大地震が発生したあと、震源断層で応力蓄積や強度回復がどのように進むのか、その過程の解明を進めるためのデータおよびサンプルの取得などをするなかで実施されたものです。

 なお、この研究航海は「日本海溝巨大地震・津波発生過程の時空間変化の追跡(JTRACK:Tracking Tsunamigenic Slip Across the Japan Trench)」の一環になります。

 JAMSTECでは、「この記録は海洋研究開発機構と『ちきゅう』を運航する日本マントル・クエスト株式会社の連携による高い技術力の証明である」と説明。日本マントル・クエスト株式会社も公式Xにおいて「ちきゅうの掘削技術と操船技術の高さが世界的に認められたことに等しく、非常に価値のある記録だ」と述べています。

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