乗用車のマーケットでは昨今、軽油を燃料とするディーゼルエンジン車が減少しています。2010年代前半ごろは“次世代のエコカー”として注目されていたディーゼル車ですが、ブームは下火となり、代わってEVやハイブリッド車が主流となっています。
【今やレア?】これが現役の「ガソリン装甲車」です(写真で見る)
ところが乗用車とは違い、今も「ディーゼルエンジン車でなければダメだ」とされているカテゴリーがあります。それは軍用車両の世界で、2025年現在でも戦車や装甲車はもちろん、トラックをはじめとした非装甲の車両もディーゼルエンジンモデルが中心です。それどころか、式典などで使われる車両を除けば、今やガソリンエンジンの軍用車はほとんど存在しません。
実は、今から80年ほど前には、軍用車両でもガソリンエンジンの方が主流でした。戦車などはその最たるもので、例えば第二次世界大戦の主要参戦国で、ディーゼルエンジンの戦車を主力としていたのは、ソ連(現ロシア)と日本くらいだったのです。
その理由は、主に性能面と運用面の2つです。まず、当時のディーゼルエンジンは技術的に未熟な部分が多く、小型軽量で高出力なパワーユニットを検討した場合は、ガソリンエンジンを選ぶほうが確実でした。
また、当時は軍用車両だけでなく、戦闘機もガソリンを燃料に用いるレシプロエンジン機が多数を占めていました。そのため、運用時に車両と航空機で燃料を共用することが可能だったうえに、航空機用エンジンの設計を車両用エンジンに転用することもできたのです。
そもそもガソリンエンジンは戦車に“不向き”反面、ガソリンエンジンの軍用車両には、大きな欠点もいくつかありました。
日本のハ号こと九五式軽戦車もディーゼルエンジン搭載戦車だった(乗りものニュース編集部撮影)。
ひとつは、ガソリンが非常に引火しやすい性質であることです。
一方、ディーゼルエンジンに用いられる軽油は、引火点が60~100度と高く圧倒的に安全です。また、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンより熱効率が高く、そのうえ低回転から大きなトルク(回転力)を発生します。そのため、重量級の車両や重い荷物などを運ぶことの多い軍用車両には、そもそもディーゼルエンジンの方が適しているのです。
このディーゼルエンジンを他国に先駆けて採用し、第二次大戦中に活躍したのがソ連製の「T-34」戦車です。T-34は、ディーゼルエンジンの出力特性や引火リスクの低さを活かしただけでなく、防弾能力や走行性能にも優れていたため、当時の交戦国だったドイツなどに大きな衝撃を与えました。
こうした技術トレンドの変化もあり、戦後はアメリカやドイツ、イギリスといった国々でもディーゼルエンジンの戦車が主流になっていきました。また、戦車の燃料が軽油中心にシフトしたことにより、補給体制の効率化や一元化のために、装甲車やほかの軍用車両もディーゼル化が進行。現在では、軍用車の多くがディーゼル車となっています。
ちなみに、ハイブリットタイプやEVの軍用車両は現在(2025年)のところ、本格的な運用には至っていません。航続距離や充電、信頼性などの問題が、乗用車以上に克服できていないことが理由であり、今後もしばらくは「軍用車=ディーゼル主流」という状況が続きそうです。

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