全日本模型ホビーショー2025が、10月18日から19日にかけて東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されました。模型・RCカー・ミニ四駆の大手メーカーであるタミヤは、過去の人気キットの再生産と革新的な新規開発を両輪とする製品戦略を展開しました。
【画像】FZRからメルセデスAMG GT3 EVOやグラスホッパーまで! タミヤの出展アイテムを見る(写真)
タミヤの広報によると、この戦略は単なるノスタルジーの喚起に留まらず、模型ファンの裾野を広げ、市場の長期的な活性化を目指す同社の明確な姿勢であるとのこと。再生産の背景には「昔こういうのがあった、今こそ欲しい」という、ユーザーからの根強い要望があるといいます。
出展されたプラモデルのなかには、長期にわたって生産を休止していたオートバイの「FZR750R」(ヤマハ)や「DUCATI」(ドゥカティ)など過去のキットが含まれ、これらが数十年ぶりに再販されました。ただ、全商品を常時生産することは不可能であり、新製品の投入に伴い古い製品が休止になり、5~10年で市場から消えた後に再び需要が高まるサイクルが生まれているとのことです。
再生産は、入手困難による「希少化」とライセンスの制約のあいだを縫う持続的な供給戦略であり、復刻時の話題性と需要を喚起する側面を持っているとタミヤは分析します。しかし課題もあるそうです。
広報担当者によると、再生産には版権契約の再締結が不可欠であり、レーシングチームの消滅や権利者不明などで再販が困難なケースも存在するとのこと。実車メーカーなどとの関係維持が復刻の鍵となりますが、メーカーの都合だけでタイミングよく製品を投入できるわけではないそうです。
ミニ四駆とRCカーも展示ミニ四駆では、ダブルシャフトモーター搭載の新型シャーシ「MEシャーシ」を採用した新製品「ライザン」が展示されていました。
1/14 電動RC ビッグトラック メルセデス・ベンツ アロクス 4151 8x4 ダンプトラック(キャンディーグリーンエディション)(乗りものニュース編集部撮影)
MEシャーシは、従来のMAシャーシ(一体構造)に対し、前後バンパーを別部品化することでFRPなどでの強化・拡張が容易な仕様となっています。ボディは分割式強化タイプが採用され拡張性が向上。そのほか、コース専用ではない「楽しさ重視」のバリエーションとして、トレイルミニ四駆の「くまモンバージョン」なども展開され、ライト層への訴求も強化されています。
RCカーでは、2025年12月発売予定の1/10RC メルセデスAMG GT3 EVO (TT-02シャーシ)や、1/14電動RC ビッグトラック メルセデス・ベンツ アロクス 4151 8×4 ダンプトラック(キャンディーグリーンエディション)が出展されていました。
ビッグトラックは、ライトやサスペンション動作、荷台の昇降といった実車さながらの再現が進んでいます。大判塗装の難易度を踏まえ、純正カタログカラーを再現した塗装済み完成ボディをラインアップに加え、ユーザー負担の軽減と見栄えの向上を図り、初心者が始めやすい環境を整えているとのことです。
タミヤは、製品とユーザーの接点としてイベントも開催しています。その一環として、2025年11月15~16日には毎年恒例の「タミヤフェア」をツインメッセ静岡 北館/南館(静岡市)で開催予定です。今年はホンダF1優勝60周年に合わせ、同社からRA273と前年のRA272の2台が会場へ貸与され、実車の特別展示も予定されています。入場は無料です。

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