広島-鳥取県境の「新トンネル」貫通

 国土交通省 三次河川国道事務所は2025年10月29日、国道183号「鍵掛(かっかけ)峠道路」で工事中の「鍵掛峠トンネル」(仮称)が貫通し、記念式典を実施しました。

【すごいショートカット!】これが「広島-鳥取」直結トンネルです(地図/写真)

 鍵掛峠道路は国道183号の広島・鳥取県境部区間における12.0kmのバイパス道路です。

鍵掛峠トンネルは延長3.5kmで、中国地方の一般国道で最も長いトンネルだそうです。

 この道路はもともと2025年度開通の予定でしたが、広島側、鳥取側双方で工事が難航し、2023年に広島側は工期が3年ほど延びると発表されていました。鳥取側の工区である鍵掛峠トンネルもまた、工事中の湧水対応のため半年ほど掘削がストップし、2025年度開通の予定に精査が必要とされていました。

 ただ、鍵掛峠トンネルは貫通後も想定以上の湧水が継続して発生しているとのこと。そのため、有識者による検討会を設立し、その技術的助言を踏まえ排水施設の検討を行ったうえで、鳥取県側5.7kmの開通時期を改めて精査するといいます。

 鍵掛峠道路は、鳥取県の米子道(江府IC)と、広島県の中国道(三次IC)を地図上でナナメにショートカットする約90kmの地域高規格道路「江府三次道路」の一部を構成します。

 うち、鍵掛峠道路はJR伯備線の生山駅(鳥取県日南町)と芸備線の道後山駅(広島県庄原市)をショートカットするようなルートになり、そのまま芸備線沿いに三次まで高規格道路を構成する計画です。

 ほかに江府三次道路としては、鳥取と広島で計約6kmの区間が開通しているほか、江府IC付近の江府道路(4km)が整備中。将来全通すれば、米子市から広島市への最短ルートが形成されます。

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