F-16を18機購入で1ユーロ!?

 ルーマニア国防省は2025年11月4日、オランダ政府からF-16戦闘機18機を取得するための政府間契約に調印したと発表しました。

【あれ、見た目全然違う!?】これが、異形の翼に魔改造されたF-16です(写真)

 購入金額は18機合計でわずか1ユーロ(約176円)です。

通常では考えられないほどの低価格となった背景には、この取得が実質的に北大西洋条約機構(NATO)の枠組み内で行われるウクライナ支援および同盟国間協力の一環であることが挙げられます。

 取得したF-16は、ルーマニア国内のフェテシュティにある「欧州F-16訓練センター(EFTC)」に配備される予定です。

 この施設では、NATOおよびそのパートナー諸国のパイロットを対象にF-16の操縦訓練を実施しており、特にウクライナ人パイロットの育成に力を入れています。ウクライナは現在、F-16戦闘機の供与を複数の国から受けていますが、自国内ではまだ十分な訓練体制が整っていないためです。

 オランダはF-35Aの導入に伴い、2023年にF-16の運用を終了しました。退役したF-16の一部はウクライナ支援やEFTCでの訓練用として提供されており、今回の18機もその支援の一環となります。

 なお、1ユーロというほぼ無償提供に近い金額ではありますが、流通の過程で生じる付加価値税(Value Added Tax:VAT)はオランダ側に支払う必要があります。契約上の申告価値(航空機および支援パッケージ)に基づき、約2100万ユーロ(約37億円)が支払われる見込みです。

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