アラブ首長国連邦ドバイに拠点を置くエミレーツ航空は2025年11月、アメリカの航空機メーカーであるボーイングから、新型旅客機「777-9」を65機追加発注しました。今回の契約において同社はこのうちの一部を、777-9の胴体延長タイプで、まだ正式に開発が決まっていない「777-10」へ発注を切り替える可能性も示唆しています。
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この機体が実際に就航する可能性はあるのでしょうか。
777-9は、既存の「ボーイング777」をベースに機体サイズの拡大を図りつつ、燃費効率に優れた最新エンジンや新設計の主翼を採用した派生型です。コックピットや客室も最新仕様に更新されています。初飛行は2020年で、実用化は最速で2027年を予定。ANA(全日空)も発注済みです。
777-9は全長77mで、実用化されれば「世界最長の胴体を持つ旅客機」になります。参考として、超大型旅客機として知られるボーイングの「747」は全長70.66m(一部派生型を除く)で、「世界最大の旅客機」とされるエアバスA380でも72.7mです。777-9がどれほど長いかが分かる数字といえます。ちなみに777-9は翼が長いことも特徴で、そのため主翼の先端を折りたたむ機構が採用されています。折りたたむことで、現在の空港設備をそのまま利用できるようになっています。
2025年12月に日本で記者会見を開いたボーイング民間航空機部門のマーケティング担当バイスプレジデントを務めるダレン・ハルスト氏は、日本の報道陣に対し「エミレーツ航空のティム・クラークCEOと潜在的な構想について話し合い、弊社としては検討すると伝えています」と話しています。
一方で、ダレン氏は優先すべき課題として「現在の私たちの焦点は、現行の777-9の型式認証(当局側がその型式自体の性能・安全性を保証する制度)」を取得することです」と強調します。
あくまでも「検討段階」である777-10ですが、今後航空会社からの要望によって、実際に空を飛ぶ姿が見られるかもしれません。

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