最新レーダーを搭載した機体が飛んだ

 アメリカ空軍は2025年12月10日、レーダー近代化プログラムの一環として新しいレーダーシステムの搭載を終えた最初のB-52「ストラトフォートレス」について、ボーイングの所有するサンアントニオ施設からカリフォルニア州エドワーズ空軍基地までのフェリーフライトを完了したと発表しました。

【画像】ガワは古いが中身は新しい! これが、装備された新型レーダーです

 今回の近代化はB-52にとって重要な節目であり、アメリカ空軍は「通常・核双方の長距離打撃能力の中核として今後も機能し続けるための大きな前進となる」と述べています。

 最新レーダーへの更新により、B-52の探知能力は大幅に向上しています。遠距離での探知性能が改善されたほか、複数目標の同時追尾が可能となり、低視認性(ステルス)目標に対する探知能力も強化されました。また、爆弾や巡航ミサイル使用時の照準精度も向上しています。

 さらに、電子戦能力も向上しており、敵レーダーの妨害(ジャミング)を行えるほか、電子偵察・通信妨害など任務の幅が広がっています。

 B-52は現在、生産が開始された最新鋭爆撃機B-21「レイダー」の長距離打撃力を補完する存在となるべく、B-1およびB-2の退役後も運用継続が決定しています。

 機体の運用寿命を2050年以降まで延長するため、さまざまな改修が進められています。76機のB-52は今回のレーダー更新に加え、エンジン、乗員区画、通常・核通信システム、アビオニクス、兵装などの能力向上改修を受け、戦闘指令部およびアメリカ戦略軍(USSTRATCOM)が指示する任務の全範囲を遂行できるよう強化される予定です。なお、同機が2050年代まで運用される場合、運用期間は100年に達することになります。

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