新名神高速の開通が、さらに大幅に遠のきそうです。2025年12月18日、NEXCO西日本らが進捗状況を発表しました。
【えええッまた延期!?】これが「新名神」の建設状況です(地図/写真)
現在、新名神は滋賀から京都にかけての「大津-城陽」区間、そこから開通済み1区間を挟んで、京都から大阪にかけての「八幡京田辺~高槻」区間を建設しています。そのどちらも開通が遅れる見込みです。
●大津-城陽
この区間は2024年に開催された連絡調整会議で、工程を精査するとして、開通見込みが白紙となっていました。
滋賀県域、京都府域ともに土工、トンネル、橋梁工事が進められています。しかし、京都府の宇治田原IC部において、山砂利採取後の埋め戻し地盤が広範囲かつ軟弱であることが課題となっています。このため、地盤改良と切土工事を繰り返し行いながら本線の構築を進めている状況です。
さらに、現在も想定以上のコンクリート殻などが発生しており、今後の混入状況も不明であることから、引き続き工事の進捗を確認する必要があるとしています。
これらの状況から、2025年12月時点の工事進捗を踏まえると、今後の土工工事、橋梁工事、舗装施設工事の完了には「少なくとも3年以上、工事の進捗によっては、さらに1~2年程度の期間を要する見込み」とのことです。最短でも2028年以降ということになります。
●八幡京田辺-高槻
2027年度の開通が目指されていたこの区間については、同日に開催された連絡調整会議(第4回)の結果が発表されました。
この区間では高槻JCTの一部で用地取得に時間を要しており、工事未着手の箇所があります。最大の課題は、枚方市を通過する枚方トンネルの工事です。
2021年12月に策定された国のガイドラインを踏まえ、安全性を高めるために発生土を改質する設備を追加する必要が生じました。また、近接する住宅への環境に配慮し、追加設備にも防音対策を行うため時間を要している状況です。
加えて、トンネルを掘り進めるシールドマシンが発進する立坑のコンクリート壁の撤去方法も変更されました。当初はシールドマシンで直接壁を切削する計画でしたが、他事業での事例や模擬試験の結果、想定以上の時間と騒音が発生することが判明。このため、事前にコンクリート壁をブロック状に切断・撤去する方法に変更され、トンネル掘削開始が遅れています。
これらのことから、枚方トンネルの掘進開始は2026年度冬頃の予定であり、掘進が順調に進んだとしても「2027年度までの開通は困難」とされました。
「非常に残念」落胆の声とともに理解を示す声も連絡調整会議では、沿線の自治体から意見が出されました。開通を前提としたまちづくりや企業の立地が進んでいることから、「二度目となる開通目標の見直しは非常に残念」「早期に開通目標を明らかにしてほしい」といった声が上がりました。
一方で、国内最大級となる枚方トンネルの工事について、「安全確保に万全を期していただくことは、市民の安心と安全を守るうえで、何よりも優先されるべき事項」として、安全対策による遅延に理解を示す意見もありました。
NEXCO西日本は、両区間について引き続き工程精査を継続するとしています。八幡京田辺―高槻区間については、枚方トンネルの掘削完了の目途がたった段階で、改めて開通目標を公表する予定です。同社は「引き続き、安全を最優先に工事の進捗を図りながら工程短縮に努め、1日も早い開通を目指します」としています。

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